[舌スペース・咬合高径が誘因だったと考えられるうつ病症例]
30代女性。
うつ病のため精神科に通院し薬物療法を継続している。
虫歯&治療途中の歯が多数あり、「口腔崩壊」と言われる状態であった。
治療開始直後はキャンセルが多く、治療は遅々として進まなかった。
咬合崩壊・口腔崩壊のため明らかに咬合高径が低く、舌スペースが狭小化して
いた。
咬合高径が低く、舌スペースが狭いことが、うつ病を悪化させている可能性が
あることを説明すると、ダメ元での治療を希望した。
ダメ元治療とは、治療の効果が現れた場合のみ治療費が発生するものである。
仮歯作製によって噛めるようになるにつれて、キャンセルが減少した。
さらに咬合高径を本来の高さと推定される所まで回復させると、キャンセルは
なくなり、うつ状態も軽快した。
しかし、仕上げ治療の段階になって自費治療を拒否した。
保険治療・術前の咬合高径で最終治療を開始した。
するとキャンセルが再出現し、うつ病が悪化したと言う。
その後、さらにキャンセルが増加し、治療中止となった。
(当院症例)