(毎日新聞 2007年7月27日 東京朝刊)
生活習慣病:対策の「根拠」、追跡調査の取り組み
町ぐるみ、医療に貢献
何年もかかって発症、悪化する生活習慣病の原因を探るには、
多数の人の健康状態を長期間追跡する調査が欠かせない。
病気の診断にも、追跡調査結果が「科学的根拠」として採用
されることが多い。
例えば糖尿病の診断基準は、長年多数の人の血糖値を調べ、
どんな人が合併症を発症したかを分析した調査などに基づいて
決まっている。
町ぐるみで追跡調査を続け、日本の生活習慣病対策に貢献して
いる山形県舟形町、福岡県久山町の取り組みを紹介する。
【大場あい、山田大輔】
◇食後高血糖、危険性訴え
「住民意識、高まった」--山形・舟形
「朝7時ごろに集まってね、『健康を祝してかんぱーい』と
言いながらブドウ糖液を飲むのが恒例。
和気あいあいとしていて楽しいし、検診の結果を大学の先生が
解説してくれるのも勉強になる」。
山形県舟形町(人口約6,600人)で79年に始まった糖尿病検診に
毎回参加している男性(72)は話す。
海外でも注目された住民追跡調査「舟形町研究」は、そんな
にぎやかな検診の中から生まれた。
舟形町研究は、富永真琴・山形大教授らが99年に米国糖尿病
学会誌に発表した。
空腹時は正常なのに、食後だけ高血糖になる人は、心筋梗塞
(こうそく)や脳卒中などの心血管疾患による死亡の危険が
高いことを明らかにした論文だ。
97年に同学会が発表した新しい糖尿病診断基準は、食後高血糖
かどうか調べる検査を省き、空腹時血糖だけで判断するもの
だったため、この流れに疑問を投げかけるデータとして注目
された。
[続きは・・・・・]
http://www.mainichi-msn.co.jp/kurashi/kenko/news/20070727ddm013100164000c.html