「若年性認知症」、働き盛りを襲う65歳未満で発症する病気で、本人と家族に心理的なストレスや経済的な問題が重くのしかかります。
高齢者の認知症に比べて理解が進んでいなく、必要な支援に結びつける情報が十分に進んでいません。
厚生労働省研究班の2009年の調査では、全国で約3万7800人と推計され、認知症の早期診断が進み、患者数はさらに増えると予測されています。国は昨年度から始まった「認知症施策推進5ヵ年計画(オレンジプラン)」で、支援の強化を掲げています。
若年性認知症の人が利用できる支援制度は、休職した際に受けられる健康保険の傷病手当金や障害年金、介護保険や障害福祉のサービスなどと幅広いものですが、対応する窓口が複数にまたがり、対応に不慣れなため、「支援対象ではない」と門前払いされる例もあるそうです。そこで国は2011年に、専門知識を持った相談員がワンストップで相談に応じる窓口の設置を都道府県に要請しました。
こうした相談窓口の先駆けが、全国レベルで電話相談に応じる「若年性認知症コールセンター」(愛知県大府市℡0800・100・2707)です。
2009年に開設されて以来、相談件数は年々増え、昨年は延べ2197件と当初の倍以上に増えています。
それだけ、相談先がなくて困っている人が多い現状に、設置主体の認知症介護研究・研修大府センターの小長谷研究部長は「適切な情報提供や支援ができる人材の育成が課題」として、相談を受ける人向けのガイドブック作成などで、各地で相談事業が広まるようにバックアップしています。しかし、都道府県のこうした相談窓口は、このほかには東京都にしかなく、思うように増えていないのが現状です。
厚労省認知症・虐待防止対策推進室では「若年性認知症の施策の充実が見込まれる中で、支援を本人や家族に確実に届けるために重要性は高まる」として、都道府県に対して整備を呼びかけています。
