厚労省が発表した2012年の「子どもの貧困率」は、過去最悪の16.3%で、6人に1人が貧困状態とされている。しかも、母子家庭となると一人親家庭の貧困率は54.6%とさらに高くなる。他の先進国と比較しても深刻な問題になっている。


ここでいう貧困とは、その国や地域で多くの人が手にしているものを持てない状態をいい、「相対的貧困」と言って先進国の状況を見る物差しとして使われている。例えば、家族旅行に行ったことがないとか、塾に行けないというなどである。


国民の所得を低い順に並べ、真ん中の順番の人の所得の半分の額を「貧困線」といい、これに満たない人の割合を出しているものである。2012年の貧困線は122万円、子どもの貧困率はこの額を下回る18歳未満の人数の割合を示す。


問題は、「貧困の連鎖」であり、貧困家庭で育った子どもが十分な教育が受けられず、進学、就職で不利になることだ。大人になっても生活に窮し、その家庭で生まれ育った子どもも困窮するという負のサイクルが生まれる。それは社会全体に階層化と格差拡大へと進んで行くのだ。


政府は、こうした問題を解消すべく、子どもの貧困対策を推進するための法律を施行した。低所得世帯の子どもの教育支援、一人親の就労促進などの様々な対策が打たれている。


こうした問題は、単に困窮家庭への支援というより社会への投資の意味合いもあるはずだ。一過性で終わらず、息の長い支援対策が必要である。