演出の勉強の為に、師匠から、2002年に上演した劇団の舞台映像をお借りすることが出来ました。
23年前の私が出演しています。
劇団初舞台「俳優塾スタジオ公演」
ジプシー〜千の輪の切り株の上の物語〜
作:横内謙介
演出:勝然武美
私たち劇団員は、俳優養成所「俳優塾」で学ぶ生徒がほとんどで、まだまだこれからの人たちの集まり。
私は演劇を始めて5.6年の頃。
出演者は総勢16名。
今回は、演出家目線で見たのですが
俳優塾スタジオ内の限られた空間で
この人数を動かすことの凄さを改めて感じました。
経験が少ない人は中々動けないし
動かすことは更に大変だと
今となっては容易に想像がつきますが笑
舞台映像を見てみると、台詞だけに頼らない
豊かな表現がそこかしこにありました。
それは、単に動いているのではなく
意味づけがちゃんとされていて
現在私が指導させて頂いている
「演技の基礎」クラスの内容で言うと
◾︎ロケーション(立ち位置、場所選定)が見事。
動きのタイミング、動線など
見ていて気持ちがよくストレスがない。
またそこには美しさがあり
躍動感と静止のメリハリがある✨
「AR演技メソード」のスキルで言うと
※ノンバーバル(非言語)が効果的に使われている
セットはほとんどないものの
小道具の扱い方で、役それぞれの特徴が
明確に見えてくるのです。
だからこそ、16名も出てきますが、
登場人物1人1人が印象に残るのですね。
当時はまだ「AR演技メソード」も
もちろん、「演技の基礎」も考案されていません
ちなみに「AR演技メソード」が考案されたのは
この舞台上演の3年後くらいになります。
俳優の演技に、何が必要かを1つ1つ区分けし
論理的に体系化された「AR演技メソード」
そして「演技の基礎」プログラムが考案されたのがとても頷けました。
この作品の演出を見て
それがとてもよく分かりました。
師匠の演出は現在
更に繊細さと大胆さが増した演出で
ミリ単位レベルの積み重ねで
シーンが紡がれていきます
やはり当時のセンスをベースに磨き続け、
更に進化しているんだなと思いました
舞台はサラッと見れてしまいますが
私達も稽古を積み重ねていたんだなと思います。
経験が少ない人はひたすら練習。
それが当たり前なので、すごく練習したという記憶はあまりありませんが、見ていて感じたのは、練習を沢山していないと、これらの動きは到底出来ないだろうということが、客観的に見て感じられました。
私含めて不器用なメンバーが多かったですが
みんな情熱がありましたし、必死に向き合っていました。それもまた映像から伝わるものです。
更に師匠は誰よりも妥協せず
(それは未だに変わらない)
最後の最後まで粘り、お客さんに飽きさせず魅せるものに仕上げてくれて、結果的に褒められるのはいつも私たち出演者でした。
そのことにも改めて感謝です
自分が出ている舞台は
当たり前ですが全体を通して
リアルに一度も見ることは出来ません。
改めて記録を見せて頂いて
沢山気づくことがありました。
自分の演技に関しては、、、
厳しい目線で見てしまいますが😆
23年前の作品を見て
私がこれまで積み重ねてきたものの原点が
ここにあると感じましたし
未来に繋がる振り返りになりました。
最後に
2002年俳優塾スタジオの上演写真がないため
下記は再演のときのものを添付しています
(南越谷サンシティホールにて)