先日、竹中平蔵氏の講演を聞く機会がありました。

 

小泉政権時代に経済財政政策、金融、郵政民営化の各特命担当大臣を務めた経験から安倍政権の実績と課題について論じる内容が講演の主題でありましたが、最も印象に残ったのは今後の社会保障改革の見通しについてでした。

 

竹中氏は安倍政権の実績を①大胆な低金利による金融政策、②強靭な国家を目指す積極的な財政政策の2点について評価する一方で、社会保障改革については抜本的な改革からは程遠い、ほとんど手付かずの状態のままであると厳しく評価していました。

 

社会保障政策は医療・介護、年金、子育ての3つを主要課題としていますが実際は税制改革と表裏一体でなければ実現できない高度に政治的な課題であって、なかなか根源的な議論に踏み込めないままの状態は小泉政権時代からほとんど変わらないと断じていました。

 

私が注目したのは、おそらく10年後くらいには本当に待ったなしの状態までこの国が追い込まれて、そこでようやく抜本的な改革が可能になるであるのではないか、という非常に厳しい見通しとかすかな希望を述べていらっしゃった点です。

 

その背景にあるのは団塊世代の高齢化です。

 

団塊世代が老人ホームに入居する年齢になるころには、老後もままならない大勢の高齢者があふれ、現在の年金制度や医療制度がもう立ち行かないところまで追い込まれるというのです。

 

私も仕事を通じて多くのご家庭がかかえる高齢者問題に接しておりますが、竹中氏のこの指摘が実に的を射ていると思うと同時に、来る難局を乗り越えることのできる政治的リーダーを私たちは選ばなければならないと痛感いたしました。

 

 

 

株式会社アクティオ

代表取締役 遠藤薫