2019年11月26日にアテナという団体の結成が発表されました。
この団体はアマゾンが引き起こしている労災事故その他の雇用問題、移民労働者問題、環境問題等を指摘する諸団体が連携して活動する組織です。
実はここのところアマゾンの配送センター内の労働環境について批判的なレポートがイギリスやアメリカで相次いで発表されています。
倉庫内で作業中に心臓発作により意識を失った作業員が20分後にようやく発見されたのち死亡した事件や、社内診療所に胸の痛みを訴えた作業員が脱水症状のみの診断を受けた1週間後に心臓麻痺で亡くなった事件など、業務管理が効率性の向上に集中するあまり従業員の健康管理が疎かになっていることを顕著に示していると糾弾されているのです。
アマゾンは創業以来、競争力強化のためにひたすら投資を続けてきました。その投資の効率性を検証するために合理的な社内ルールや目標を設定し常に検証を繰り返してきたのです。
こういった企業行動はまるで資本主義が暴走した19世紀の独占資本主義を彷彿とさせます。
新興IT企業のなかには既存の法的規制を回避する形(UBERやAirB&Bなど)で新しいサービスを提供するビジネスモデルを確立している企業がいくつもあります。
競合する業界や行政からの様々な批判を浴びながらもこれらの企業が成長を続けてきた背景には、「新しいサービス(ソフトウェア)にはバグがあって当然であり、あとから修正すればよい」という供給者サイドの主張とユーザーサイドの暗黙の了解が存在したように思われます。
消費者側の利益に焦点が向けられるかぎりは、アマゾンの即日配送サービスや割安な移動手段となるUBERが多くの利用者から歓迎されてきましたが、ここにきてそれぞれの企業が抱える負の部分、その多くがそれらサービスを支える労働者の過酷な労働条件や企業が負担すべき社会的費用の側面に注目が集まるようになりました。
リーマンショック以降の米国経済はシリコンバレーから生まれた新興企業群に牽引される形で拡大、変容してきました。そしてそこには株主価値の拡大という普遍的価値基準がドライビングフォースとして働いてきました。
しかしながら巨大化したGAFAのそれぞれのプロダクトやサービスが独占的あるいは寡占的地位を占める規模に到達した今、これら企業も社会的責任を問われる存在になったのです。
健全な納税姿勢とコンプライアンス体制の構築のみならず、労働者保護や環境保護にもリーダーシップを発揮すべきとユーザーは考えていることを自覚すべきなのでしょう。
株式会社アクティオ
代表取締役 遠藤薫
株式会社アクティオのホームページはこちら ⇒ http://www.actio-net.co.jp/
