昔々、ジョウト地方のとある村に、ヌオーというポケモンが住んでいました。ヌオーは水を操る力を持っていましたが、人間たちからは怠け者として見下されていました。ヌオーはいつも川辺で寝そべっているだけで、人間たちの仕事を手伝ったりしませんでした。

 人間たちはヌオーに「お前は何の役にも立たない。川にでも流されてしまえ」と言って、石を投げたり水をかけたりしていじめました。ヌオーは人間たちの言葉に傷つきましたが、怒ったり反抗したりすることもありませんでした。ヌオーはただ「ヌオー」と鳴いて、川の中に身を隠しました。

ある年、その村にはひどい干ばつが起こりました。雨が降らず、川も干上がり、作物も枯れてしまいました。人間たちは飢えと渇きに苦しみました。村長は人々に「神様に祈ろう。雨が降るようにお願いしよう」と言いました。

 人間たちは神社に集まって、雨乞いの儀式を行いました。しかし、どれだけ祈っても、雨は降りませんでした。人間たちは絶望しました。村長は人々に「もうだめだ。このままではみんな死んでしまう。村を捨てて、他の場所に行こう」と言いました。人間たちは涙を流しながら、村を去ろうとしました。

そのとき、川の中からヌオーが現れました。ヌオーは人間たちに「ヌオー」と鳴きました。人間たちはヌオーを見て、驚きました。ヌオーはまだ生きていたのです。ヌオーは人間たちに近づいて、頭を下げました。

 そして、空に向かって口を開きました。すると、ヌオーの口から水が噴き出しました。水は空高く上がって、雲になりました。雲はどんどん広がって、やがて全ての空を覆いました。そして、雲から雨が降り始めました。雨はやんで、川も満ちて、作物も生き返りました。人間たちは雨に濡れながら、喜びました。

 村長はヌオーに「ヌオーさん、ありがとう。あなたは私たちを救ってくれました。あなたは怠け者ではなく、英雄です。どうか、私たちと一緒に暮らしてください」と言いました。人間たちはヌオーに「ヌオーさん、ごめんなさい。あなたをいじめてしまって。あなたは私たちの友達です。どうか、許してください」と言いました。

 ヌオーは人間たちの言葉に嬉しくなりました。ヌオーは「ヌオー」と鳴いて、人間たちに笑顔を見せました。そして、ヌオーは人間たちと仲良く暮らしました。人間たちはヌオーに感謝しました。ヌオーは人間たちに水を与えました。それからというもの、その村には干ばつが起こることはありませんでした。ヌオーと人間たちは幸せに暮らしましたとさ。めでたしめでたし。