(詩篇119:71、新改訳)苦しみにあったことは、私にとってしあわせでした。私はそれであなたのおきてを学びました。

 

 

春化現象

 

もし私たちの人生に失敗がなく、成功だけがあったなら、幸せでしょうか?そうではないようです。昔の人々は経験を通じて、人生の三大災難のひとつとして「若い頃の成功」を挙げました。人は幼い頃に失敗を通じて謙遜を学び、忍耐と粘り強さも身につけなければならないのに、最初から成功すると高慢になり、必ず学ぶべき忍耐と粘り強さを身につけられないまま、結局は道を誤りやすいということを、彼らは体験的に知っていたのです。

 

 

 

春化現象

 

それゆえ彼らは、「若い頃の苦労はお金を出しても買えない」という言葉を教訓として残しました。私たちの信仰生活にも、同じ原理が当てはまります。だからこそ神は、鷲がその雛を鍛えるように、苦難によって私たちの人生を錬えて成長させてくださると言われています。

 

 

 

神は人生を鷲のように鍛えられます。

 

 

(申命記32:11、新改訳)ちょうど鷲が巣をかきたて、その雛の上に舞いかけ、翼を広げてこれを取り、羽の上に運ぶように。

 

 

 

冬を越さなかった連翹(レンギョウ)は、花を咲かせることができません。

 

 

オーストラリアのシドニーに住む在外同胞が、故郷を訪れた帰り道に連翹(レンギョウ)の枝を折り取り、自宅の前庭に植えました。翌年の春が来ました。澄んだ空気と豊かな日差しのおかげで、枝と葉は韓国にいるときよりも青々と茂りましたが、花は咲きませんでした。

 

 

春化現象

 

 

最初の年だからだろうと思っていましたが、2年目も、3年目も花は咲きませんでした。そこで初めてわかったのです。韓国のような厳しい冬のないオーストラリアでは、連翹の花はまったく咲かないのだということを。

 

 

 

ソ連の植物学者トロフィム・ルイセンコ(Trofim Lysenko、1898–1976)

 

 

このように、低温を経てはじめて花が咲くことを、専門用語で「春化現象(Vernalization)」と言います。1918年、ドイツの植物学者ヨハン・ゴットフリート・ガスナー(Johann Gottfried Gassner、1881–1955)が最初にこの現象の基礎研究を発表しました。続いて1928年、ソ連の植物学者トロフィム・ルイセンコ(Trofim Lysenko、1898–1976)が、この現象の農業的活用の可能性を論文で提示しました。

 

 

 

春化現象

 

 

春化現象とは、植物が特定の低温刺激を受けたときにはじめて開花能力を持つようになる現象であり、植物が早まって花を咲かせ、寒い冬に凍死することを防ぎ、暖かい春に合わせて繁殖できるよう助ける生存の仕組みです。

 

 

 

春化現象

 

春化現象が起こる植物は、主に根の先端や茎の先端という成長点で低温刺激を受け取ります。低温にさらされたときに生成されるバーナリン(Vernalin)という仮説上のホルモンが働き、その刺激が植物全体に伝わって花芽の形成を促します。

 

 

 

ソ連の植物学者トロフィム・ルイセンコ(Trofim Lysenko、1898–1976)

 

 

この春化現象の原理を農業に活用すると、人工的に開花時期を調節して収穫量を増やしたり、栽培期間を短縮したりすることができます。たとえば、寒い冬を越さなければならない秋大麦の種を水に浸し、冷蔵庫のような低温施設に一定期間保管してから春に植えると、その年の夏に正常に収穫することができます。

 

 

 

ソ連の植物学者トロフィム・ルイセンコ(Trofim Lysenko、1898–1976)

 

このような原理を利用して栽培時期を調整することもあり、野菜や花卉作物の場合、市場の需要に合わせて開花時期を早めたり遅らせたりするのに活用されます。

 

 

 

ソ連の植物学者トロフィム・ルイセンコ(Trofim Lysenko、1898–1976)

 

低温に反応して花芽が分化し、花を咲かせる植物には、チューリップ、ヒアシンス、ユリ、ライラック、ツツジ、ミツバツツジ、菊などがあり、麦類では秋大麦と小麦、野菜類では大根、白菜、キャベツ、ニンジンなどがあります。

 

 

 

ソ連の植物学者トロフィム・ルイセンコ(Trofim Lysenko、1898–1976)

 

人生もまた、春化現象を経験します。人生の眩い花々は、厳しい寒さの苦難を経てはじめて咲くのです。これはちょうど、春に種をまく春大麦に比べ、秋に種をまいて冬を越す秋大麦の収穫がはるかに多く、味もよいのと同じです。つまり、人生が結ぶ実りは秋大麦のようなもので、冬を経ることでより豊かに、より堅実になります。多くの苦難を乗り越えてきた人ほど、強さと芳醇な味わいがいっそう深く滲み出るのです。

 

 

 

ソ連の植物学者トロフィム・ルイセンコ(Trofim Lysenko、1898–1976)

 

 

このような理由から、神は神の人々を荒野の学校へと召されます。アブラハム、イサク、ヤコブ、モーセ、ダビデなど、すべての偉大な神の人々は、例外なく荒野の学校を経てきました。

 

 

 

人生の冬を経て、見事に咲き誇った日本の作家、三浦綾子。

 

 

1964年、日本の朝日新聞が主催した一千万円懸賞公募小説において、『氷点』で最優秀賞を受賞した作家、三浦綾子(1922–1999)は、生涯を病とともに歩みました。自らの体を「病気の巣」と表現するほど、病に苦しめられ続けました。しかしそれゆえに三浦綾子の思索は深まり、彼女は苦難の中にあっても感謝することを知っていました。

 

 

人生の冬を経て、見事に咲き誇った日本の作家、三浦綾子。

 

 

彼女が苦難について書いた、心を打つ詩があります。

病まなければ、できない祈りがある。

病まなければ、信じられない奇跡がある。

病まなければ、近づけない聖所がある。

病まなければ、仰ぎ見ることのできない聖人がいる。

ああ、病まなければ、私は人間ですらいられない。

 

 

 

人生の冬を経て、見事に咲き誇った日本の作家、三浦綾子。

 

 

時に苦難によって錬えられるとき、どうか落胆せず、私たちを善へと導いてくださる神に寄り頼み、錬えの中で七たび火で精錬された銀のように美しく成長される聖徒となられますよう、主のみ名によって祝福いたします。