この度は
テアスタ・オーロ
『誤射〜葵祭の陰で〜』にご来場いただきまして誠にありがとうございました。
今回、演出助手を務めさせていただきました
山辺恵と申します。
舞台の幕が降りて熱も冷めやらぬ今日この頃ですが、作品後期綴らせて頂こうと思います。
舞台の稽古が始まったのは年が明けてすぐの事でした。まず、最初の読み合わせ。
テアスタ・オーロに初出演の人たちも、この時は楽しそうだったのをよく覚えています。
(私もオーロの稽古を最初から見るのは初めてでした。)
近代古典作品を多く扱うアクト青山ですから
書き下ろしかつ当て書き、ということの恐ろしさをわかっていなかったのでしょう。
えぇ、私もわかっていませんでした。
本当に稽古の度に演出席から厳しい言葉が飛び、役者は悩んで悩んで、時には泣いて。
稽古が終わると疲弊した顔で帰って行きました。
そんな風に日々考え色々試行錯誤が繰り返されるものの、パンフレットの裏面にも書かせていただきましたが、劇団員と主宰という猛者たちに一瞬で無き者にされてしまう。
本当に凄惨な戦場でありました。
同じ本科生として、なんとも歯痒い気持ちになりました。
あぁ、こんなにも壁は高いのかと何度実感させられたことでしょうか。
劇団員の人達も、もちろん苦悩はあったことでしょう。
彼らが出ている場面の稽古は圧倒的に時間が短かったり、後輩の稽古に付き合ったり。
それでも高いクオリティのお芝居を稽古の度にされていました。
今回、1番ネックだった部分はやはり
「ヒエラルキー」だったのではないでしょうか。
ちょっとでもこの部分を緩く作ってしまうと、一瞬で堅気の人間にしか見えなくなってしまう。
主宰がたまに「今の若い子は縦社会で生きてない」というのですが、まさにその通りなのでしょう。それでとても苦労していたように思います。
自由にのびのびとお芝居をするということは非常に難しいことなのです。
自由にするために裏付けされた知識や経験がなければ、自信を持って自由に演じることができないから。決して雰囲気でやっても思っている通りにはならない。きっとそんなことが身にしみた役者さんも結構居たのではないかなぁ、と思います。
そして、本番をむかえて沢山のお客様が来てくださいました。
舞台を観たあと、面白かった、いい時間だったと笑顔で声をかけてくださるお客様がたくさんいらっしゃいました。ほんとにありがたいことです。
その言葉を頂けるだけで、どれだけ役者さんの活力になるかわかりません。
良い時間を過ごしていただけたなら幸いです。
心地よくご観劇いただけたでしょうか?
今回、音響照明をやっていたよしざわちかさんが中心となって私も制作のお仕事をちょこちょこさせていただいたのですが、「舞台とお客様を繋ぐお仕事」としてもっと多くのお客様に紹介できたらよかったな、と。
まだまだ、千歳烏山でのアクト青山の認知度は高いとはいえません。
もっと地域の皆さんに知っていてもらえる
誇ってもらえるように、そんなお芝居をしていけたら、舞台を作っていけたらな、と。
では、またお会いいたしましょう。
最後にもう一度
ありがとうございました。
またのご来場をお待ちしております。