みなさまこんにちは!
本科生の蔭山みこです。
ついに今月から3月テアスタ(舞台)
『近代古典傑作短編選』
の予約、企画ブログもスタートしました!!
今回のテアスタは5日間、別作品を上演します!
私、蔭山は
3月24日(土)の
『ぶらんこ』に出演します。
そして『ぶらんこ』ブログではトップバッターです!
今回、企画はそれぞれの作品チームが各々で内容を考えて更新していくのです!!
毎日別作品の出演者が更新していきます。
どの座組みも要チェックですよ(灬╹ω╹灬)
はてさて、
本日、蔭山が担当する『ぶらんこ』のテーマはこちら!
『岸田國士について』
---岸田國士。
大正から昭和にかけて活躍された劇作家です。
戯曲だけでなく、小説や評論、演出家としても有名な方で、
演劇集団アクト青山では
よく上演されている作家さんです。
『ぶらんこ』も過去に小西主宰自身が主演で上演された作品でもあります。
私も入所してから岸田國士作品は
『可児君の面会日』『雅俗貧困譜』
『紙風船』『傀儡の夢』
…と、4作品出演させて頂いております。
特に『紙風船』はアクトの登竜門と言われているような作品。
先代の渥美國泰先生がご存命の頃から馴染み深い岸田國士大先生。
「岸田國士戯曲賞」
という賞といえば聞いたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
童話作家の岸田衿子、
昭和後期から平成にかけて活躍された女優
岸田今日子、ご両名のお父様です。
↓まずはざっくりとした略歴から↓
1890年。
父が軍人である家庭に生まれ、
父の意向で士官学校に通いながらも
17歳でフランス文学に興味を持ち感動し、
その頃から海外文学にを読み浸り、軍事生活や父に反発。
20代でついに父親から勘当されるも文学への情熱は止まず、演劇にも興味が湧き、
29歳で遂に単身フランスに向かいます。
30代前半から渡仏で見て得た演劇感や文章を生かして作品を書き続け、
喀血など病に臥すこともありながら、
後に久保田万太郎、岩田豊雄と一緒に「文学座」を立ち上げたビッグなお方です。
アクトでは岸田國士は
“ファンタジー作家”
“愛にあふれる作家”と言われております。
そして、だいたいアクトで岸田國士作品に触れた
演者さんは、
だいたい岸田國士ワールドにハマってしまいます。笑
かく言う私、蔭山もそうです。笑
理由はその岸田國士が描く“ファンタジー”にあります。
大正・昭和の時代、戦後にかけて。
夫婦にしても世間にしても、
男尊女卑の風潮が漂っているとき。
女は男の人に意見をしてはならない。
何事も女より、先に男だ。
そんな時代の中で
岸田國士が描いた作品に登場する女性は、
男にはっきりモノを言う
可愛い女性でした。
ただ意見するのではなく、
そこに愛くるしさもある女性の様子。
その登場する女性の大体は、
「妻」「彼女」として描かれています。
現代、私たちが生きる世間では男性に意見する女性は普通に見かけます。
ですが岸田國士が生きている時代。
戦争の最中である時代に
男の人に意見する女性というのはとても新しく、
また新鮮で、
見たことない、あり得ない姿でした。
そんな可愛い彼女、或いは妻がいる生活。
夫婦生活が描かれた作品。
戦時中に描かれたそれらの作品はまるで、
「なんでもないありふれた日常や
妻と意見しあっても続いていく生活、
退屈さが恋しくありませんか?
奥さんに会いたくなりませんか?」
と、問いかけてくる気配さえします。
「戦争反対!」「夫婦とは!」と言葉に出すのではなく、
あくまで此方に委ねて投げかける
柔らかいアプローチ。
また、この時代の後は女性上位の世が来るという将来的な示唆も込められています。
未来がそうあって欲しいという願いがファンタジーになってます。
女性も男性と同じ目線で、立場でいて良い時代。
岸田國士のファンタジーは届いたのか、
今私たちが生きている世の女性を見ると生き生きしている様に思います。
それだけでなく、演じる役者にも
ある種の遊び心とチャレンジ精神を投げかけてきます。
個人的な感覚ですが、
「枠も縛りもある。けれどその他は自由にしてもいいよ。さぁ貴方ならどうする?」
という風な役が多いです。笑
蔭山は「ぬりえ」だと思ってます。
そういう役はなかなか巡り合わないので、
演者の色や手法に委ねて来る部分も愛在ってだと感じます。
なのでアクトの女性陣は
岸田國士の「奥さん」役を希望する女性が多いです。笑
演劇界にも、役者にも、そしてそれら全てを通して日本や世界の未来にまで想いと願いが込めて作られた作品。
5日間の公演で、『ぶらんこ』はたったの1日だけですが、
片手未満の座組みで岸田國士の思い描いた風景には臨み、彩ります!!
3月24日(土)をお楽しみにっ
明日はどの作品が更新するのでしょう??
また次回まで!!
『ぶらんこ』から、蔭山みこでした(*'ω'*)
本日は三回更新‼️
この後の時間にも更新しますよ!
次は誰かなぁー??(⌯¤̴̶̷̀ω¤̴̶̷́)
演劇集団アクト青山
テアスタ(春)
『近代古典傑作短編選』
演出 小西優司
3月21日(水)〜25日(日)
3月21日(水)
『バイロン卿の恋文』
作 テネシー・ウィリアムズ
出演 竹田真季 中西彩乃 廣田明代 菊地正仁
13:00/16:00/19:30
3月22日(木)
『赦せない行為』
作 森本薫
出演 小此木富美子 佐古達哉
16:00/19:30
3月23日(金)
『宮城野』
作 矢代静一
出演 山辺恵 高村賢
16:00/19:30
3月24日(土)
『ぶらんこ』
作 岸田國士
出演 桃木正尚 蔭山みこ 小野晋太朗
16:00/19:30
3月25日(日)
『白鳥の歌』
作 A.P,チェーホフ
出演 小西優司 倉島聡
13:00/16:00/19:30
*開場は開演の30分前
*開演後のご入場はご遠慮頂いています
*開演は事情により5分程度遅れる場合があります
*『ぶらんこ』は本編中、喫煙シーンがあります
チケット料金 ¥1500(半券割有り〼)
チケット予約 カルテットオンライン
公演Twitter
演劇集団アクト青山活動ブログ
お問い合わせ先
engeki.act.aoyama@gmail.com
場所
演劇集団アクト青山アトリエ
世田谷区北烏山7-5-9
アクセス
京王線千歳烏山駅より徒歩20分
千歳烏山駅前より小田急バス「吉祥寺行き」にて「ときわ橋」下車1分。
吉祥寺駅より小田急バス「千歳烏山行き」にて「ときわ橋」下車1分。
近代古典戯曲の名作を、日替わりで上演致します。アクト青山が春に送る5つの物語。短編ならではの色濃く現れる作者の魅力を、是非アトリエで間近にお楽しみ下さい。