セレブリャーコフ役の宇土よしみです。

今回のお題は「ワーニャ伯父さんに参加して」ですか…

うーん…正直言って非常に難しいタイトルです。今の私には。

なぜって、まだ公演が終わっていないので。

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まだ渦中にある状態で余裕がないと言いますか…(イヤですね余裕のない41歳って)

今が正念場なんだと思います。

そう…例えるなら、五回一点を追う展開、ツーアウトフルベースで四番打者を迎えた、というところでしょうか。

しかし…お題はお題、がんばって書いてみます。

アクトでお芝居をさせていただいて今回で九本目。毎回正念場と心得てやってきましたが、今回のセレブリャーコフは演劇人生最大の壁だと思います。

たくさんの課題がありますが、今回の根本的なテーマは役になり切ること、その人物として存在することです。それがつかめれば他の問題も自ずと解消されるのではと思います。もちろん、役者として生涯取り組むべきテーマであって、この半年でクリアできるものではありませんが。

頭ではこういう人物だということがわかっていても、その人物の感じ方や物の見方を生理的につかめていないので、表現がすべて作り物になってしまう。

感情の流れが自然に運ばず、言動が唐突に思えたり、単なるネタの羅列になってしまう…

小西主宰から「人間じゃない」と言われます。

今のセレブリャーコフはまだまだ私が作ったものにすぎないのです。

モスクワ芸術座の初演であのスタニスラフスキーが演じた役が、そんな矮小なわけがありません。

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しかし、決して入口が見えてないわけではないと思っています。

空中ブランコが目の前を行ったり来たりしているように、手が届きそうで届かない、どうタイミングをとったらいいのかわからない、そんなもどかしさを感じます。

こんな頼りないセレブリャーコフのために、稽古時間中は申し訳ないぐらいに私のシーンに時間をかけていただき、小西主宰は常に言葉をつくして説明してくださいます。さらに、友香さん、彩乃さん、美沙葵さんら先輩たちを始め、演助の潮さん、そして吉田君、伊藤君ら頼もしい後輩たち…みなさんからいろいろとアドバイスをいただいて、本当に恵まれています。

あと一ヶ月足らずですが、なんとしてでもブランコをつかんで「怪物」セレブリャーコフになってみせます!

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