テアスタ(春)『白夜』両チームで猛夫役を演じます、小西です。
花散らしの雨が通り過ぎて、春はいよいよ勢いを増し、きっと気が付けば初夏を迎える事でしょう。
その頃、『白夜』は上演されます。
思えば、僕がアクトに入って今年はもう16年目。早いもんです。
今朝、鏡で見た自分の顔は白髪混じりのヒゲと、少しずつ増えていくシワ、そう、人間は誰しも老いていく、そのクロニクルを見るような気持ちでした。
上演される『白夜』とは、違いますね。少なくとも、作品世界の時間は止まっている。いや、動いているようには見えない。そういう何かを表現しなくてはいけない。
不思議な話しだけど、二十歳くらいの頃、僕は若い役というのが上手には出来なかった。僕自身は若かったのに。
若い役に自信がついたのは、三十を超えてから。
経験則が反映され、想像とのリンクが正しくなされ、表現する、に到る必要なプロセスを経て、やっと意味が伝わるようになった。
僕は、多分、等身大の自分を演じるという概念が希薄だった。いつもどこかでツクリモノを探して来た。それは遊びであり、真剣味であり、劇画であり、演技の在り方だと思って来た。
でも、今回は、違う。
真夜中の井の頭公園で、トリゴーリンの影を踏もうとしたり、そのためだけに小説を書いたり。
神宮球場の周りを散策したり、本郷を練り歩いたり。
あの頃、がむしゃらに役と向き合おうとしたように。
いま、猛夫を見つめています。
北海道には行けないけど(笑)
高校生の頃、行った記憶を頼りに、また、血塗れの指を抱えて船底に寝そべったあの日を思い出して。
僕は、本当は哀しみに溢れた物語が好きです。
岸田國士なら『落葉日記』
森本薫なら『華々しき一族』
それでも人は生きて行かなければならないなら、哀しい物語を創りたい。
なんて思って、久しぶりにこの作品に臨んでいます。
どうか、お楽しみに。
花散らしの雨が通り過ぎて、春はいよいよ勢いを増し、きっと気が付けば初夏を迎える事でしょう。
その頃、『白夜』は上演されます。
思えば、僕がアクトに入って今年はもう16年目。早いもんです。
今朝、鏡で見た自分の顔は白髪混じりのヒゲと、少しずつ増えていくシワ、そう、人間は誰しも老いていく、そのクロニクルを見るような気持ちでした。
上演される『白夜』とは、違いますね。少なくとも、作品世界の時間は止まっている。いや、動いているようには見えない。そういう何かを表現しなくてはいけない。
不思議な話しだけど、二十歳くらいの頃、僕は若い役というのが上手には出来なかった。僕自身は若かったのに。
若い役に自信がついたのは、三十を超えてから。
経験則が反映され、想像とのリンクが正しくなされ、表現する、に到る必要なプロセスを経て、やっと意味が伝わるようになった。
僕は、多分、等身大の自分を演じるという概念が希薄だった。いつもどこかでツクリモノを探して来た。それは遊びであり、真剣味であり、劇画であり、演技の在り方だと思って来た。
でも、今回は、違う。
真夜中の井の頭公園で、トリゴーリンの影を踏もうとしたり、そのためだけに小説を書いたり。
神宮球場の周りを散策したり、本郷を練り歩いたり。
あの頃、がむしゃらに役と向き合おうとしたように。
いま、猛夫を見つめています。
北海道には行けないけど(笑)
高校生の頃、行った記憶を頼りに、また、血塗れの指を抱えて船底に寝そべったあの日を思い出して。
僕は、本当は哀しみに溢れた物語が好きです。
岸田國士なら『落葉日記』
森本薫なら『華々しき一族』
それでも人は生きて行かなければならないなら、哀しい物語を創りたい。
なんて思って、久しぶりにこの作品に臨んでいます。
どうか、お楽しみに。