アランチャとボロネーゼの二人が王子をほったらかして出て行った直後、カルボナーラ王子はいよいよ意識不明となりつつあった。止まらない出血、背中の痛み。薄れ行く意識の中で、王子は舞妓だった祇園のおばあちゃんを思いだしていた。
「嘘はついたらあきまへんえ。人からものをもろたら、おおきに言うてちゃんとお礼せんとあきまへん。」
なぜだかその話が、走馬灯のように甦っていた。
「俺は…死ぬのか。このまま…。」
その時だった。謁見の間に一条の光が差し込み、その神々しい光の中から誰かが現れた。
「あなたの命はこの国の宝。私のウ○チはカレー色。ライスも好きだが、ナンも好き。
スープカレーは今ひとつ。グリーンカレーはお腹壊す。そんな私は、インドカレー婦人!!」
バーン。
なんだろう、この登場場面は。しかも昼時に汚れネタ。食事中の皆様ごめんなさい。
「さあ、このインドの神秘を結集した秘薬であなたの命を助けてあげましょう。」
そう言って、インドカレー婦人は蛇が出てきそうな壷からカレーを出して、王子の口に含ませた。
「辛っ!!!!!!ちょ、ちょっとまって辛い辛い、なにこれ?あー、辛い!!!」
死にかけていた王子は、急に息を吹き返した。
「ほほほほ。ほーら、生き返った。」
そう言って今度は背中の傷に何かを塗りたくった。
「熱っ!!!!!」
焼けるような熱を背中に感じた後、不思議と痛みは引き傷口はふさいだようだった。
「こ、これは…。この薬はいったい?」
「えーと。忘れちゃった。なんだっけ?あれ?ナンだったかしら?ナンじゃなくてライス?え?あれ?」
王子は絶句した。
「あの、天然ですか?」
「は?失礼ですね。天然じゃないです。」
「・・・。」
「あ、私そろそろ帰らないと。カレー作ってるんで。」
走って謁見の間を出て行く婦人の胸がユッサユッサと揺れていた。王子はちょっと気持ち悪くなった。
せめてBカップが限界なのだ。
騒ぎを聞きつけたのか(何の騒ぎだ。)人が謁見の間に集まってきていた。
「お、王子、無事でしたか?」
ボロネーゼが駆け寄ってきた。
「うん。すごい巨乳のオネーサンにカレー塗られた。」
「その人…。」
「お前たちも助けてもらったんだろ?」
「はい。」
「さ、ボロネーゼよ、行こう王の下へ。いよいよ次回は最終回だ。」
「はい!感慨深いっすね。」
「そう?」
「もう!クールぶって。」
「姫は無事か?」
「はい。ジェノベーゼを取り押さえてボコボコにしてました。ジェノベーゼは再起不能です。」
「かわいそう。」
二人は、一旦避難していたリガトーニ王の下へと向かった。
本当に次回は最終回なのだ!