福田内閣の発足に伴い、閣僚人事が発表になった。
いわゆる大物政治家が顔を並べた形だから、当然ちょっとやそっとのスキャンダルでは誰も退陣したりはしないだろう。その点においては、野党はこの先の国会で政策論争をしなくてはならないという風向きになったのではないだろうか?
この結果から見ても、党三役の人事もうってつけと言えばうってつけで、政策派の谷垣氏を登用して足場固めをしているあたり、ある意味では「首相タイプとはいえない」福田氏の巧妙な人事センスが伺える。
問題はこれまで、幹事長=選挙と言う図式だったものをあっさりと古賀氏が分断した点だ。恐らく伊吹氏は、福田首相のお話し相手として選ばれたのだろう。それと、一連の学生自殺の際、世間の矢面に立ち文科省の大臣として懸命に事件の収拾に努めたその姿勢を買われたのではないだろうか。
逆にいえば、福田首相がそれだけ世間の矢面に立ち、攻撃を受けながらもおのれの職務を全うしていくタイプの政治家ではないと言うことに他ならない。だからこそ彼は、要所要所を実力者や賢者にやらせることで調整宰相たる自分の面目躍如を狙ったのだ。
さて、テロ対策法を含めて今国会でケリをつけなくてはいけない事案はたくさんあるが、野党はどう出るか、また麻生氏はどう出るか、ちょっと楽しみだ。
宰相とはただの大器たるものか、否か。見ものである。