僕は大体において結構冷めた人間で、舞台の本番中でさえゆとりがあり、いろんなことに気を散らしてしまう。
なのに、今回ある瞬間から記憶が全く飛んでしまって思い出すことが出来ない部分がある。
しかも、記憶のある最後の瞬間までのある時間、僕には舞台の上が、いや、客席や袖までが真っ暗闇だった。
その時僕はちょうど、舞台前方に用意したいすに腰掛けていて、ゆっくりと後方を振り返るお芝居だった。ゲネの時にはきちんと上手袖と、袖幕、バトンと見えていたのに、その時は全く何も見えなかった。しかも、椅子から立ち上がって、客席を向いたらそこも真っ暗。正直、ちょっとぞっとした。怖かったので必死に台詞を続けていった。
なぜ、あんなふうに見えたのか、どうしても腑に落ちない。まあ、冷静さを欠いていただけかもしれないし、極端に真っ暗だと思い込んだ結果だったかもしれないが、ちょっと怖かった。
「白鳥の歌」をやって、やはり俳優の仕事は素晴らしく楽しいと思ってしまった。この9月が終わったら、絶対に舞台を降りて、脚本と演出の仕事を勉強しようと思っていたけど、それは出来そうに無い。次回作の勉強を今日から始めたんだけど、既に本読みをしてしまっている・・・。おいおい、いつからそんなに役者馬鹿になった?と自分に問い掛けつつ、今日も日が暮れる。
そうそう、今日までにリサーチした結果、「藤野マキ」さんの演技はものすごく良いと好評だった。紅一点、よく出来てたと思う。
なので、「楽屋」の件、ちょいと真剣に考えようかなと思います。
では、またそのうち。