No. 1,197 こころのメモ946(ACアダルトチルドレン札幌

184/365 【心的外傷と回復】基本的信頼を創る能力


こんにちは村上です。
ジュディス・L・ハーマンの『心的外傷と回復』から一部抜粋して話しています。
本書は、戦争で受けた心の傷と、レイプや虐待で受けた心の傷は、同質のものであり、回復にはPTSDへの理解や、専門的な治療、セルフケアが必要で重要であると説明しています。
少しでも生きづらさが楽になるようなヒントになればと思います。

p205から参照します。




心的外傷と回復
第七章 治癒的関係とは p.205

 心的外傷の体験の中核は何であろうか。それは、無力化disempowermentと他者からの離断disconnectionである。だからこそ、回復の基礎はその後を生きる者に有力化empowermentを行い、他者との新しい結びつきを創るcreation of new connectionことにある。回復は人間関係の網の目を背景にしてはじめて起こり、孤立状態においては起こらない。生存者は心的外傷体験によって損なわれ歪められた心的能力を他の人々との関係が新しく蘇る中で創り直すものである。その心的能力には「基本的信頼を創る能力」「自己決定を行う能力」「積極的にことを始める能力」「新しい事態に対処する能力」「自己が何であるかを見定める能力」「他者との親密関係を創る能力」がある1。これらの能力はそもそもが他者との関係において形成されたものであり、まさにそのように再形成も他者との関係においてなされなければならない。

1.E.Erikson,Childhood and Society,2nd ed.(New York:Norton,1963).





心的外傷を負うことは、

その人の生き方に
影響を与えるのかもしれないと
想像しながら書いています。


つらいなって思いながらも
その原因が自分じゃわからないと
不安だし不快じゃないでしょうか。



そんな、
持って行き場のない思いがあるとして

その原因には
自分や相手への
信頼することが

何かかかわっているかもしれないという
話をします。




たとえば、

自分が信頼している相手に
裏切られる出来事があると、

ショックを受けて
心が傷つくイメージです。


誰にもある経験ですし
傷つき体験からの立ち直りには
多少の時間がかかりますよね。



そんな、

普段からの人間関係においても
予想しない出来事が起こり
ショックを受けることがあって、



先に抜粋した文中に書かれている

「基本的信頼を創る能力」

こちらの能力については、


もっとより生きていく上で必要な

自分を信頼する
相手を信頼する

という
能力のことを言っています。




では
基本的信頼感なのですが、


人が生を受け成長していく過程で
身につける信頼するという感覚は、


幼い頃は親(または親のような)から
言語・非言語のコミュニケーションを通じて
会得していきます。





【困り事は?】


その親から傷つけられた、、と

自分が思えば



それは傷つき体験であり


他の何かから承認されずとも


自分が親から傷つけられた、

だから自分はダメになってしまったんだと
思うなら、


その思いは自分だけのものであり


自分を信頼していくためには

まず最初にするべきことかとボクは考えます。





なぜって、
出発地点を定める必要があるからです。


親から傷つけられてダメになってしまったという自分を定める。


定めることで、


「で、自分はどうしていきたい?」


、、などと問いが生まれ


そのときの自分なりの
選択肢を考えられるようになるからです。




自分で考える

このすべての基底になる
考えるという能力自体も大事です。



すぐ答えが欲しくなるのが
人間ですが、

「自分ならどうする?」と

考えることを回し続けていくことが

自分を信頼していくことにつながりますし、



親から傷つけられたという
ショック体験に対して

自分は何を思い
どんな考えをもって

それでも
毎日をどう過ごしていきたいのかと
考え続けることが、


「基本的信頼を創る能力」を賦活して

自分が自分のことを信頼していけるようになることにつながっていると思います。




出発地点を定める = 心の傷を認める






ショックを受けたことで
信頼するという感覚が損なわれてしまうと、


新たなことに取り組むのが
怖かったり
めんどうに感じたりするかもしれません。


そんな経験はないですか?



「どうせ失敗する」
「うまくいくはずがない」
「嫌な思いはしたくない」
「ウケなかったらやる意味はない」


このように取り組む前に
ネガティブな考えや感情が生まれて
行動できないときがある。




それは、

自分を自分が信頼していないからであり

信頼していないのは

親から傷つけられて

親という

絶対的な存在に粗末に扱われたことが、


子である

自分という存在価値を決定したのであり、


まるで烙印のような
ダメという否定的な
自分への
信頼のなさは


もう変えることができない…




こんな風に思ってはいませんか?






たとえば
極端な例に感じるかもしれませんが、



信頼感を失っている人のなかには、

自分が成功するとか
幸せになるといった

ポジティブなイメージをもつことが
難しいと聞きます。(ボクもそうでした)



成功や幸せという体験は
"こんな自分なんか"が

到底およばない
絶対に達成できない
なれるハズがない


なぜならば、、、だから。


、、などと、

できない、叶わない理由は
いくらでも言えてしまう。


でも、
言ったあとは

後味の悪さやガッカリ感しかなくて
でも、
なぜか安堵するような

「挑戦しなくていい」
「変わらなくていい」

、、というような、


免罪符をもらったような
変な安心感を持つことがあるようです。



ただ
そう感じるときがあるとしても、


成功や幸せを経験したことがないとしか
思えないのですから
(傷ついたことによって)

自分のなかで根拠がなく、

新たなことに取り組むという
行動する・変化が求められることへの

抵抗感が前面に出てきてしまうのは
当たり前なことのように思います。



もちろん、
現状維持でもいいと
自分が思えば
それが
今の選択ですし、



まだ見たことがないやったことがない
新たな目標へ

行動してみたいなという
気持ちを

まずは大事に温めるように
保つことから始めてみましょう。


忘れてもいいんです

ノートに書いたり
張り出したりしても
忘れることはあります。


でも、
気持ちに
心に残る
やってみたいなという
思いを
自分なりに大事にしていきましょう。



まずはそうすることで、
また思い出したときにでも
「やってない」ではなく
「やってみたかったんだ」で良いんです。


やらないことの理由は
自分にはわかっているはずですし
仕事があり
家事や付き合いもあるでしょうから、


自分がやりたいという気持ちだけを
キープすることは難しいかもしれませんよね?



緊急かつ重要なことじゃないと

人ってなかなか動かない。



だから、

少しずつ自分を信頼するってことが
もしかしたら

生きづらさを楽にすることに
つながっていくんだな〜と
ふわっと最初は感じていれば良いと思います。


そんな風に、

考え続けることは止めずに

感情や感覚についても

少しずつ、少しずつ

自分だってやりたい気持ちがあるんだゾ


。。みたいな感じで

気持ちを大事にしてみていってください。





みすず書房ホームページ


※当記事の参照元
心的外傷と回復 ジュディス・L・ハーマン 著 中井久夫 訳 小西聖子 解説/1998年9月10日 第10刷発行/みすず書房/400ページ/6,600円+税






担当心理カウンセラー
村上なおと

カウンセリングサロン Anela
札幌市中央区北3条西18丁目2-11 ブランノワールW18.exe 301号
・地下鉄東西線の西18丁目駅より徒歩8分


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