一般のレベルで、日本人と他の欧米諸国の人々とは、かなり行動が異なることは、私は、社会に出て10年間、欧州Shell groupの石油精製会社での経験で、理解した。

 

私は、海外との窓口の技術スタッフとして、欧州から、時々、アドバイスを受けていたのだが、日本の工場で実施すると、たいてい、彼らが驚くほどの好結果が出た。

 

日本人について、欧州の技術チームが驚くのは、以下の点である。

 

1.Good housekeeping (工場敷地内が、整理整頓され、清潔)

 

2.仕事が正確(工業系の高卒の現場人材の優秀性)

 

3.仕事が早い。(プラント設計は、3分の1の期間で終える。)

 

日本は、宇宙開発でロケット発射に失敗したり、中国などと比較しても、進歩が遅い印象だが、日本政府が十分な資金をつけず、高度な知識経験を持つ人々の意向に応えてきていないためと思う。

 

勘違いしてはいけない。

世界の中、日本の圧倒的な強さの秘密は、大学卒以上の高学歴人材ではなく、中学校~工業高校~工業高等専門学校の卒業生である。

 

よく社内で議論になった。

 

石油精製の仕事は、一般の想像を超える危険性がある。

 

爆発性のある物質や有害物質を扱い、汚れ仕事の筆頭である。

 

当時、世界では、数年に一回、大事故、大爆発が起き、数人の運転員の命が、同時に奪われていた。

 

印象と異なり、

 

石油精製工場では、プラントの脱硫反応から得られた猛毒ガス(So2/SH3など)が、微量だが常時、漏洩している。

 

(活火山の火口付近で、死んだ鳥が落ちているが、同種のガスによるもの。毒性が高く、一呼吸、一吸引で死ぬ。)

 

脱硫反応は、300度C以上、30~100気圧以上で、精密で高度な機械類がプロセスの原動力だが、完璧な密封は、原理的に無理なのだ。

 

例えば、20-30mの高さの反応塔には、合金鋼(Co-Mo Steel)を使っているが、高温高圧であるため、水素原子が、鋼にもぐりこむ。

 

鋼は、材料に微量の炭素を含むため、長年のうちに、CH4(メタン)などが、鋼内に生成する。

 

何年も使っていると、鋼に微妙な亀裂が多数生まれ、脆弱となる。

 

2011年の原発事故前、ある新聞が、原子力発電設備の鋼製のボイラー内面の金属の拡大分析写真を見て、亀裂だらけだと騒いで問題視していたが、それは、ごく通常のことである。(笑)

 

現代世界は、様々の技術で快適な生活ができているが、このように、経済面(予算)と技術面での妥協により成立している。

 

一般人のレベルで、技術について常識がないと、組織中が、日本中が、

 

無知で言いたい放題、かつ学習力皆無の小池都知事のような政治家の言うがままになる。

 

全体が、非効率であるだけでなく、不幸になる。

 

現場で問題解決できる力のある人材は、生き甲斐のある良い仕事を持ち、普通、政治家になることに興味がいかない。

 

他方、メディア出身の彼女の発言・活動の目的は、目立つことであって、東京や、何かを良くしたいわけではない。

 

彼女の目的に反する、アドバイスがあっても、彼女は、無視するだけである。

 

ここでも私が国際交渉で発見したルールが、成立する。

 

つまり、「バカこそ=最強」 である。

 

私が提案している「トーナメント方式の熟議選挙」は、現代世界に拡大した選挙制度の弱点全部を国民により回避させるものである。