「言語は、1.文法、2.発音、3.語彙という3つの体系で構成されている。」
私が若い頃、日本語との比較において、こんな説明をしてくれる人がいたなら、外国での仕事で言語を学ぶ場合に、苦労が少なかっただろうと思う。
日本語は、
1.文法
日本語~朝鮮語~モンゴル~タジキスタン~カザフスタン~トルコ語の線上で、ほぼ同じ。
例えば、モンゴル語は、ロシア語と似たキリル文字だが、発音(アルファベット)で言うと
Tanii nama ig xen gedeg be.
貴方の 名前 は 何(誰)です か?
語順と助詞などが、日本語とほぼ完全に一致。
中国語のように声調のある言語ではないですが、発音は、日本人には、極めて難。
しかし、語彙は、発音からすると、中国語が頻出。
また、モンゴル語の単語が、ロシア語に転用されている。
2.発音
日本語は、タガログ語、マレイ語、インドネシア語、ハワイ語・・など、環太平洋の言語の特徴;母音数が少なく、子音が重ならない。
欧州では、ポルトガル語、スペイン語、イタリア語などラテン系言語に近い。
声調があるのは、中国語-ベトナム語ータイ語ーカンボジア語などで、声調のある言語は、意外に多く、日本人は、脳の発達を考えると、中学生までに中国語の簡単な聞き取り練習をすると良いと思う。
中国人ビジネスマンから、大人になりタイに来て仕事を始めて、
3カ月くらいで、日常レベルのタイ人と話をできるようになったと聞いたことがある。
中国語に声調があるため、タイ語も聞き取りし易いためだ。
発音で大切な項目は、アクセントだ。
私が、理解に2~3カ月もかかったことだが、ロシア語は、アクセントの位置で、音程が下がり、長くなる。
音程が上がり延びるのが、アクセントである英語や日本語などと、逆。
3.語彙
日本語では、「高い」位置と背が「高い」は、同じ「高い」だが、英語は、HighとTallなどと単語が違う。
寝るは、go to bed とsleep は、違うが日本語は、同じ。
ただし、日本語は、「寝る」と「眠る」という単語がある。
他動詞で横にすることを「寝かせる」、自動詞は、「寝る」というが、英語は、layとlie と、sleepなどと、異なった単語 がある。
私が面白いと感じるのは、名前を尋ねる時。
日本語や英語などは、「名前は、何ですか?」
インドネシア語、モンゴル語などは、「名前は、誰ですか?」
ロシア語では、貴方を人々は、どのように呼ぶか?と尋ねる。
驚いたことに、名前についての基本的な質問でさえ、
What/Who/How の3種類がある。
欧米言語と比して、日本語の最も大きな概念上の違いの一つは、Loveだろう。
使う頻度と意味の違いもあるように思う。
文化人類学専攻の宇宙人がいたとして、地球上、最も男女が愛し合わない民族は?と問われると、単語「愛」が出ない日本人となるかも。(笑)
ご参照;
他方、万葉集などの古の歌は、家族や男女間の愛の歌が非常に多い。
口語の世界で、古代から、日本人は、そうであったのか。
変わったとすれば、いつから、どう変わったのか、江戸時代の儒教・漢学の影響なのか、興味がある。