日本人の研究者が学会などに参加して、他の研究者の発表の際、殆ど質問も議論もしないことは、大きな問題である。

 

原因は、英語教育を主導してきた文科省にあるのだが、日本人の英語教育者の「言語の本質についての知識不足」にある。

 

どの英語教師も、他にも2,3カ国語は、使えるべきなのだ。

 

問題は、日本が、学術研究分野で世界に貢献できないという消極的理由もあるが、

 

外国人研究者から見ると「日本人研究者は、ズルク、無礼、イマイマシイ人たち。」と見られることにある。

 

批判もコメントによる貢献もなく、他国・他研究者の発表をただ、自分の研究に取り入れ、活用するように見えるとしたら、誰でもそんな気持ちになる。

 

日本人研究者にとっても、「国際会議が、まるで面白くない!」である。

 

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国際学会で、共通語は、たいてい、英語である。

 

日本人研究者は、英文を読むことはできるのだが、話す際、心に大きな障害がある。

 

この事実は、日本の英語教育で最初に触れるべきことなのだが、日本人同士の日本語コミュニケーションは、言語以前の基本OSが大きく違うためだ。

 

まず、相手の立場や気持ちを理解しなければ、特に相手が外国人となると・・、きちんと意思疎通できなければ・・と・・身構えて、

そんなことを考えるため、日本だけで育った人は、発言前の思考が多すぎるのだ。

 

つまり、その思考がある限り、英語の聞き取りが完全でなければ、何も発話できないことになる。

 

(しかし、様々の人種が参加する国際学会で、全部を良く聞き取れるようになることは、永久にあり得ない。すると、日本人は、永久に黙

したままに終わる。)

 

この日本の言語文化のため、観光業では、「オモテナシ文化」が生まれ、近しい間では、「阿吽(あうん)の呼吸」が生まれたりして、

外国人には、時に不思議がられ、高く評価もされるのであるが、

 

悪い側に振れると「組織内での不適切な忖度」「倫理的な勇気の欠如(互いに空気の読み過ぎで方向転換できない)」に繋がる。

 

(今回のコロナ禍対策も、まさにその好例)

 

人の性格と同じで、場面により、長所が短所となり、短所が長所にな

る。

 

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しかし、学会などで様々の人たちが参加する中、研究者としての存在を示すことは、意外に簡単である。

 

まず、

 

1.自分が、興味のある研究テーマの発表を探しておく。

 

2.自分の疑問点とか、将来の研究展望などを英語で、前もって、5文章くらいにまとめて発話できるようにしておく。

丸暗記・バカ暗記で良い。

 

3.外国人研究者によりそのテーマでの発表が終わったら、手を上げ、発言を求め、

 

i. 発表者に感謝を述べる。

 

ii. 自分の興味を述べる。

 

iii. 用意したいくつかの文章を発話する。

 

4.相手が、反応して見解を述べたら、聞き取れないだろうが、

  頷いておく。

 

5.相手の説明が終わったら、再び、手を上げて、感謝を述べ、ここでは、時間が限られているので、後にメールでやり取りさせてもらいたい。と述べる。

 

以上なら、聞き取りできない外語力の段階でも、傍から見れば、十分なやり取りができている。

 

現在は、携帯電話に録音機もあるので、

4.で

相手が回答するところを録音もできる。

 

まとめると、

 

A. 大切なことは、国際会議で本当に発言し、参加すること。

B. 相手のことや意向などどうでも良い。

C. 貴方が、自分の研究分野で、どうしたいかを考えて、発話すること。

 

以上の準備なら、一か月間もかからないだろう。

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1,2,3・・を英語で言えば、

 

Thank you for your presentation.

I enjoyed it very much since I am studying the same/similar topic in that field as a researcher....

 

用意していた数文章を言う。

 

すると、相手が反応、説明をする。

 

貴方の最後の発言は、

 

Thank you for your explanation.

Because we have limited time at this conference, let us have further discussion by emails later on.

Thank you,

 

これなら、

国際会議で参加し、発言するに、準備期間は、せいぜい、実労働時間として3日もあれば、十分である。

 

日本人よ!

国際場裏で、黙るな!

 

すると、冷や汗をかき、厭でも英語にも上達する。

ということである。

 

空気を読んで恥をかかず、巧みに生きてきている貴方だが、

冷や汗の厭な経験の数が、外国語の習得につながる