通貨と経済についての直感による「勘違い」が、世界中の人々を苦しめている。

 

生産活動や労働には、技術発展による莫大な影響がある。

簡単な例は、ある品物の生産供給量を2割増加するに、追加で労働者が、不要なのだ。

 

生産供給力が十二分となった先進国経済においても、古びた財政に関する法規が、問題を固定化している。

 

以下、一般の人々が持っている経済運営についての考え方が、間違いであることを説明する。

 

誤解1. 経済不況で人々が苦しい時、政府も節約すべきだ。

 

【政府が節約すると、緊縮財政となる。緊縮財政は、さらに国民経済の不況を深める。

 

破綻懸念のある国々に対する財政当局・IMFによる財政規律政策(Austerity Measures)の実施は、「苦悩の後、春がやってくる。」という直感的な勘違いによるものである。

 

江戸時代、確かに天候不順で農産物ができず、食糧が不十分であるなら、お殿様・家来たちも、一汁一菜で質素倹約することは正しい。

 

しかし、現在、政府の財政政策としては、市場で足りないモノが十分に生産供給されるよう、予算増加して、財政支援をすればよい。

 

経済全体として潜在的供給力の大きな現代、モノの生産・流通における不足は、資金の片流れによるものだからだ。】

 

誤解2. 自国通貨を有する政府は、通貨量をコントロールしている。

 

【増加する通貨量は、国債発行額だけでなく、民間セクターの借金額にも、大きく依存している。

 

政府は、硬貨と国債しか発行できないため、適切な財政政策を実施する度に、国債累積額は、増加する。

 

それが常態であり、何の問題でもない。

 

経済の中、使う以上に資金を得る人や企業があり、彼らは、預金したりローンを返済することで、GDPをめぐる資金量を、減らす。

 

人々を安心させる、成長し続ける経済は、血液としての通貨を、毎年増加しなくてはならない。】

 

誤解3. 国債発行による政府債務は、返済されなくてはならない。

 

【経済弱者を含め人々が、豊かに生きるには、通貨量を増加する必要がある。その過程で生まれる政府債務を返済してはならない。

 

政府債務の返済は、通貨量・通貨流量(GDP)を減らし、経済弱者を苦境に追い込む。人がつくった抽象的な数値より、国民皆が、必要十分なモノとサービスを得て、楽しく生活できるようにするのが、政府の役割である。】

 

誤解4. 貯蓄は、社会に安定をもたらす。

 

【知恵足らずのエコノミストや経済学者に脅しに脅された日本の企業や国民の貯蓄は、通貨流量(GDP)を減らし、経済弱者を、さらに苦境に陥れる。

 

日本経済に必要なものは、未来への「人々の楽観」であり、「それこそが、最高の経済の薬」である。

 

年金を減じるなど、人々を楽観させない脅し政策は、非人道的であるだけでなく、経済にとり悪手である。】

 

誤解5. 経済的困難の克服のため、人々は、懸命に働くべきである。

 

【確かに。しかし、雇用者は、容易に労働を使えるので、高い労働意欲は、労働単価の低下圧力となる。

 

そのため、長期的な政府政策として、労働時間を減らし、労働単価を上げていく必要がある。

 

公務員の非正規化・パート化は、組織の精神的分断を招き、対話を疎外し、国民・住民へのサービス向上という健全な使命感をむしばんでいる。非正規職員やパートの仕事は、不安定であるため、正規職員の時給よりも、1~2割上にしなくてはならない。】

 

誤解6. 経済弱者が受ける年金や生活保護他を下げることは、政府財政と日本経済を守る。

 

【年金額の減少は、理由は何であれ、何の問題もない日本経済の没落を考えさせ、日本経済の致命傷になり得る。

 

具体的には、年金等の福祉予算の減額は、年金高齢者のお金を使う意欲を低下させ、GDPを縮小させる。

 

それは、回りまわって働く世代の収入の低下となる。

 

さらに働く世代には、将来の年金額の減少を予想させ、年金制度への信頼低下を招き、日本経済と政府財政を苦境に追い込むばかりである。】

 

誤解7. MMT 支持者は、政府財政の拡大は、経済問題を解決すると信じる。

 

【財政拡大は、経済成長の必要条件の一つにしか過ぎない。

 

十分条件は、経済についての人々の正しい理解に基づく「予算執行」と「人々の楽観」である。 】

 

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IMF、ECB米欧他、国の財政当局は、高度な教育を受けた職員らだが、誤った直感に従って、今後も経済破綻する国々や地域に誤った指導を続けるだろう。

 

気付くべきことは、〈残忍な悪循環〉の存在である。

 

多くの人々を自殺に追い込むほどの経済破綻こそが、金融業者にとっては、大きな利益となることである。

 

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以下をご参考にしてください。