日々 モノを製造したり、サービスを提供するために、働くことで、報酬を得て、買い物をしたり、旅行をしたり、そんな人間の活動を、国全体で合わせると、GDPという経済的な数値になる。

 

イメージとしては、預金口座に毎月入金され、

生活で使われるお金(フロー)に対して、

 

殆ど動くことのない銀行の定期預金とか、証券会社の債券や株券に投資されているお金は、個人の生活で言えば、熟成を待つ倉庫の中のワインのようなお金のストックである。

 

このようなフローとストックということが、あまり良く分かっていないのが、日本の政治である。

 

2020年5月27日、自民党安倍首相が、200兆円の予算の話をした。

 

しかし、米国と異なり、日本の場合、真水が少なく、実質、少なすぎだとの批判が多い。

 

原因は、日本の政治は、日本経済の規模感を持っていないことと、お金は、とても貴重だと勘違いしていることだろう。

 

財務省も同様に、お金は、貴重だと勘違いしているから、

たいへんである。

 

何を考えるにも、ぎちぎちの窮乏精神では、本当に日本を貧困化させてしまう。

 

米FR(米中央銀行)関係者が、表現は違うが、

 

「お金? Federal Reserveは、《打ち出の小槌》を振るだけだ。」(#)

 

と告白した記事が出た。

 

日本で真水を200兆円市場に入れても、絶対にインフレにならない。

 

もう一度、言おう。 【絶対にインフレにならない!】

 

なぜかと言えば、第一に国民がインフレを容認しないからだ。

殆どの人が理解していないことだが、
 

ある一定の条件では、消費者は、インフレをコントロールできる。 

 

その条件とは、

皆が一応、それなりに最低限、或いは、それ以上に、食べている経済社会である。

 

そこで、200兆円 追加されたとする。

 

個人が持つ金融資産(1900兆円)の1割程度である。

 

仮に2000万円を持つ人が追加で200万円(実際には、それほど直接には行かない)もらい、手持ちのお金が増加したとする。

 

個人も企業も、政府の施策に安心はする。(パニックを起こさないために、安心は、とても大切なことだ。)

 

しかし、毎日、平和に食べているのだから「それで?」と思うだけである。

 

(現在は、コロナウイルスで需要が激減し、さらにインフレになりにくいと言うより、デフレ経済だから、通常の経済を想定する。)

 

誰でも「高いインフレは、困る。」意識はある。

だから、支払いの際、お金を丁寧に使う。

 

価格が上がったものは、買わない。

すると、インフレになりようがない。

 

購買行動では、選択肢があり、考える力のある国民の前にインフレは、あり得ない。

 

もう一点、殆どの人が理解していないことを言えば、

 

例えば、為替が1ドル100円だとする。これは、世界中のドルの総量と円の総量が、1 対 100 だからではない。

 

毎秒、毎秒、売りたいドルと 買いたい円の人が、或いは、その逆が、1ドル100円で合意し、取引するので、100円=1ドルということだ。

 

各通貨の全体量は、問題ではない。

 

(100円=1ドルだからと言って、世界中の円ドルを交換していったら、多分、偽札を含めて大幅にドルがあまるだろう。(大笑))

 

ストックを十分持てば、個々にとり安心材料にはなるが、経済における「死金」と言っても良いくらいで、

 

動くフローだけが 市場価格を決め、GDPを決める。

株価も同じである。

 

日々の家庭生活において、お金は、大切である。収支が合っていることが、大切だ。

 

しかし、ストックは、大雑把な神経で、ちょうど良い。

 

コロナウイルス禍の今、政府が経済支援をするのは、フローに対してである。そして、嬉しいことにストックは、これまでフローから流れ落ちた蓄積で、あまりに余っている。

 

フローからストックへの流れは、容易でフローにお金を注入しても余れば、すぐストックに流れて、インフレにならないのだ。

 

しかし、フローで働く客商売のレストランなどの働く人々には、このフロー、つまり、日々の経費が、大切なのだ。

 

私自身、驚いたことだが、

職業として、利益を上げている若者トレーダーがいるが、彼らは、国際政治や各国のマクロ経済指標など全く気にしていない。

 

(それで、私は、ちょっとがっかりした。債券市場で稼ぎ続けるためには、知性も思考力も、殆ど無用なのだ。だから、早く適当な値段のAIができれば良いと思っている。)

 

トレーダーは、数値を見て、冷静に動きを予想して、稼ぐ。

 

(米のビジネススクールで米国人と議論していて、分かったことは、証券会社のトレーダーは、多くが低学歴者で、高学歴者は、エコノミストになるとのことであった。なるほど、経済を分析し、解説するエコノミストには、少し知性が必要である。)

 

過去1年間上り相場であれば、それを基本に、日々トレードする。

 

上り相場は、マクロ経済だと言うかも知れないが、彼らトレーダーの認識は、全くそうではない。

 

株価の数値が、過去1年間上昇している。それだけの理解である。彼らは、深い理由など、どうでも良いのだ。数値の遊びをしているだけだ。

 

知ったかぶりでエコノミストが、市場の動きについて、理由を説明するが、彼らは、皆、理屈は正しい。

 

しかし、予想が外れて、結果が異なれば、違った原因を示すことができる。

 

今回、米国株は、2月中旬から3月下旬までに3割~3割5分下がった。そして、6月に入った現在、3割以上、戻った。

 

私は、熱心な投資家ではなく、素人だが、試みに上り相場が見えた時、3月中旬に入れてみた。

 

そして、2割利益を上げて、現金化した。

 

上がり始めの5%を捨て、15%~20%利益をあげたら、深追いせず逃げると、素人でも必ず儲かる。

 

素人は、利益を上げて、逃げる感覚が必須である。


このシナリオがあれば、間違いないだろう。

 

多分、これから、米政府の資金注入から、何らかのバブルが始まるが、崩壊前に逃げるためには、深追いしないことだ。

 

証券会社や銀行の言葉を聞いていたら、損をする。

というのは、儲かったら、彼らは、さらに投資を勧めるからだ。

 

彼らの目的は、彼らの利益なので、

 

顧客が利益を上げていると、もっと投資させて、

扱う金額を増加しようとする。

 

恐ろしいことに、彼らの利益は、取引額 x % だ。

 

金額を増額すると、顧客のリスクが上がるが、

そんなことに彼らは、無頓着だ。

 

彼らとの 時に熱く、暖かい関係は、たいてい、顧客が大きく損をして終わる。

 

それでも、もっと金融資産のある顧客は、証券会社とつきあいを続けるが、チャンスが来ても、あまり儲かることはない。

 

それは、チャンスが来る前から、投資させられていて、儲けるための手駒がないからだ。

 

証券会社(銀行も)の従業員は、彼らの裏の意図を隠して、営業の話はできる。

 

しかし、市場について、それほどの知識も経験もない。

 

インサイダー取引になるので、法的に自ら投資できないことになっている。

 

素人は、熱くならないで、数年に一度来るチャンスで

1割~2割、利益を上げることに注力すれば

それが、最善策ではないかと思う。

 

なぜ、チャンスが来る?

 

アハハハと笑いたくなるが、

それは、世界中、監査制度に決定的な欠陥があるからだ。

 

# )  以下、Investopia より。

 

Money Creation Mechanism

 

In the early days of central banking, money creation was a physical reality; new paper notes and new metallic coins would be crafted, imprinted with anti-fraud devices, and subsequently released to the public (almost always through some favored government agency or politically connected business).

 

昔は、中央銀行がお金を作るとは、物理的にお札を印刷したり、金属貨幣を製造させることだった。

 

Central banks have since become much more technologically creative. The Fed figured out that money doesn't have to be physically present to work in an exchange. 

 

以来、中央銀行は、技術的により創造的となり、お金は、物理的に作る必要がなくなった。

 

Businesses and consumers could use checks, debit and credit cards, balance transfers, and online transactions. 

 

ビジネスは、小切手やクレジットカードやインターネット上でお金のやり取りをする。

 

Money creation doesn't have to be physical, either; the central bank can simply imagine up new dollar balances and credit them to other accounts.

 

お金の創造は、物理的ではなく、中央銀行が、新たなお金の量を想像して、他の口座に送金するだけで良い。

 

A modern Federal Reserve drafts new readily liquifiable accounts, such as US Treasurys, and adds them to existing bank reserves. Normally, banks sell other monetary and financial assets to receive these funds.

 

現在のFR(米中央銀行)は、新しく流動性ある金額を財務省や他の金融機関の口座に加える。金融機関は、通常、現金とは異なる他の証券類を売って、中央銀行からのお金を受け取るのだ。