3.「お祭りワイガヤ選挙」のプロセス

 

立候補者や最終選挙人になりたい人は、自分の経歴や主張をまとめ、選挙管理委員会に届け、前もって面接と証拠書類の提出により、経歴などについて監査を受ける。この監査は、届けられる経歴、学歴などに間違いがなければ、合格である。

 

有権者を各30人のグループに分ける。このグループ化は、全有権者の投票カードへの番号の割り振りで行う。ランダムに決める方法もあろうし、地域毎にグループを作る方法もあるだろう。

 

ただし、できる限り少なくとも一人は、立候補者や最終選挙人候補者が入るようにグループを分けることが望ましい。

 

各グループでは、最初に選挙管理委員会が決めた倫理規定を読み、参加者全員が署名を行う。そして、政治社会の方向性について議論し、立候補者(政治家候補がいない場合は、最終選挙人候補者)がスピーチをして、各グループで質疑応答を繰り返し、候補者を決める。

 

議論の中身は、

 

現状の理解と課題 ⇒ 

理想的な状況のイメージの議論 ⇒

 実現のためのステップ ⇒ 

ステップを可能とする政治家のイメージ ⇒ 

 

そして、

 

政治家・最終選挙人への立候補者のスピーチ ⇒ 

質疑応答 ⇒

最後に全員の投票による立候補者の選挙⇒

選ばれた人材への参加者からの要望の確認

 

(開発途上国に限らず、欧米先進諸国でも、選挙の投票数を正確に把握できない例は多い。

 

2000年、米大統領選でブッシュ(息子)が選ばれた選挙では、フロリダ州で接戦となり、数え直したが数値が合わなかったことが有名。

 

フロリダ州では、獲得票数差が、0.5%以内の時、再集計することになっている。最初の票差は、1784票、

再集計で537票差で、ブッシュ勝利の公式認定である。

 

日本でも、各自治体で投票数と各立候補者への開票数の合計は同じにならない事例が、後を絶たない。

 

パートを含め、数百人が関与する開票作業の煩雑さ、入力ソフトウェアの活用でもプログラミングの悪用(ブラックボックスで中身が見えない)を考えると、各選挙で開票を厳密正確にする手段はない。

 

現行の選挙では、どれほど有権者一人一人の倫理が高かろうと、開票作業の担当者や選挙管理に関与する側で、不正が行われる可能性がある。

 

この点、「お祭りワイガヤ選挙」での結果は、各会議に参加する人々の多くの目に依存する。)

 

選ばれた立候補者は、次段階で選ばれた人材同士が30名のグループをつくり、さらに3人を選ぶ。小グループでの議論から立候補者を決めるというステップを何度か行い、最終的に残ったグループの中で首長を決める。

 

最後の会議で、首長になる人物を見届けたい人は、最終選挙人になるべく、立候補する。つまり、自分は、このような経験・知見をもつ人物であるが、最終会議に残り人物を選びたいと言う意思をグループ会議で具申し、最終選挙人として立候補する。

 

各グループでは、立候補者と最終選挙人の候補者がおり、立候補者が不十分とされる場合は、最終選挙人候補者を選ぶ方法もあろう。

 

また、最終会議で選挙人になった人物や立候補者として残った人は、それなりのプロセスを経てきており、役所の中で首長への補佐としても有用になり得るだろう。


続く:


4.「お祭りワイガヤ選挙」の効果