自分をデフレ化しない方法 | 海を愛する組織開発・人事・教育・総務コンサルタントのブログ

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物知らぬ素直な心は、時として真理を突いているものだと思っています。

私は物心ついた頃、地球はいつかゴミで埋まってしまうのではないか?と心配していました。
変な子供ですかね?(笑)

それから10年ほど経って、世間ではゴミ問題が話題となり、今日ではゴミ以外の様々な問題をも含んだ環境問題として認識されています。

私はお恥ずかしながら、経済についてはかなり疎いです。
金融商品や投資といった世界から自然と距離をおく生活をしている、ある意味、ダメな日本人の典型です。

そんな私ですが、「いざなぎ景気」を越えたとされる2002年から2007年まで続いたとされる日本の景気拡大には疑問を持っていました。

確かにこの時期、企業の新卒採用数は拡大をしていましたが、所得(給与)の伸びは一部の人達を除いてほとんどなかったと思います。
つまり、生活実感として好景気だと感じていた人は少なかったと思います。

それから、リーマンショック後の日本経済だけが沈んでいる様子を見て、
「もっとお金を刷れば(流通させれば)いいのになあ・・」と考えていました。

ただ、きっと何かそうできない要因、あるいはしてはいけない決まりのようなものがあるのだろうと思って、それ以上は考えたり学んだりしていませんでした。
恥ずべき姿勢なのですが、私のような日本人は多いのだろうと思います。

私たちは、よく飲みながら自分が散財した時に「経済に貢献している」と自嘲美味に話すことがありますよね。

でも実際には、国のためにお金を使うといっても無理ですよね。

自分だけ破産する(笑)

安心してお金を使える環境はマクロで作られなければいけない。
デフレ経済下では、国は流通するお金の量を増やさなければならないけれど、個人は節約に努めなければならないわけです。

そう。矛盾するのです。

つまり、日本人が使わなくなった(貯め込んでいる)お金を使うきっかけは、個人には求めることができないのです。


だから、私なんて「一人で無駄遣いした・・」と悔やむわけです(笑)

経済に対してはこんなモヤモヤした考えをいくつか抱いていました。


これまでに勝間和代さんの本はいくつも読んだのですが、どちらかというと自己啓発的要素の強い本を多く読んでいました。
(事実、彼女の本はそういうものが多いのですが)

あくまでも私個人にとってですが、自分の経済に関するモヤモヤをすっきりさせてくれた、これまでの勝間本で一番こころの中で「カキーン」とヒットする音が聞こえた本です。

「自分をデフレ化しない方法」
勝間和代(著) / 文春新書


自分をデフレ化しない方法 (文春新書)
勝間 和代
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昨年末、日本政府がまだ日本がデフレであることを認める前、菅直人副総理・国家戦略担当相(当時)に「まず、デフレを止めよう」というテーマでプレゼンしたところから始まります。

・日本はデフレどころかデフレスパイラルである。
・デフレによって、お金だけでなく、社会に流通する「希望」や「感謝」の量まで減ってしまう。
・デフレ脱却こそが、ボウリングの1番ピンであり、ここを倒さずして他の施策を行っても効果は限定的である。


そして本章は次のような構成です。

◆第1章 デフレだから希望がない
まず、デフレがなぜいけないのか。私たちの生活に与える影響を述べています。

給料があがらない。クビを切られる。倒産する。就職できない。結婚できない。子供が作れない。自殺者が増える。希望が持てない。

私たちが感じている閉塞感を生みだす事柄の大半がデフレによるものであると伝えています。

この章で印象に残ったのは、「ユニクロはデフレの原因でなく、デフレの結果」というフレーズです。

◆第2章 デフレ時代のサバイバル術16カ条
ここでは、デフレ経済下で個人がすべき生活術、具体的なお金の使い方(蓄財含む)などについて勝間さんらしく三毒追放も入れながらズバリ言い切っています。

ここでは、個人的に「収入の2割を貯める」が印象的でした。
やってみよう・・と思います。
あっ、ここでは珍しく簡単な計算間違いをされています。
上げ足とりは趣味ではないのですが、探しながら読んでみて下さい・・ナンテなあ。

◆第3章 経済知識ゼロでもわかるデフレ
◆第4章 こうやってデフレを退治しよう

私が一番勉強になったのはこの2つの章。
この2つの章だけでもお金を出して買う価値が私にはありました。

たまに飛ばして読みたくなる気持ちをおさえながら、ひとつひとつ理解しながら読み進めたのですが、最初に書いた自分の中の経済に関するモヤモヤが晴れていくのを感じました。

◆第5章 もっとお金を配ろう
ここでは勝間さんの考えるデフレ脱却のための金融政策、国債発行による30兆円(国民一人当たり25万円)の使い道について述べています。

勝間さんは社会的インフラに使うべきだと言います。
インフラといっても橋や道路、ダムではなく、教育や少子化対策、雇用対策、医療改革、介護改革、NPO支援などです。

私は、今実施されようとしている子供手当に関しては疑問を持っています。

所得があるにも関わらず、給食費を支払わないような親が多くいる中で、手当(現金)をバラまくというのは歩留まりの悪い施策になる可能性が高いと思います。
つまり、子供手当のうち本当に子育てに使われる割合が低くなると思います。

テレビで見ていると政治家が「これはやってみなければ分からない」とまで言い出す始末。
挑戦は大事ですが、モデル地区(自治体)を決めてテスト導入してから全国でやるべきです。

むしろ保育園の数を増やすべきだと思います。
実際に企業では、保育園が足りないため子供を預けられるかどうか、育児休業の期間との兼ね合いで悩む女性がすくなくありません。
これでは、企業がいくら産休・育休制度を作ったとしても、女性が働きやすい環境はできません。

こんな私と同じ考えを含め、もっとモノから人への投資についての提案がいくつも載っているのがこの章です。

~全体所感~
経済に疎い人でも勉強になる、そして多くの提案になっとくできる一冊です。

おそらく勝間さんの提案が社会を動かすか否かのカギとなるのは、多くの日本人にある「これ以上、国債を増やしたくない。借金をしたくない。」という感情論だと思います。

確かに、第4章で「さらに赤字国債を30兆円も発行して日本の財政は破綻しないのか」という疑問に自ら答えています。
また、上述のようにその使い道も書かれています。

ただ、国債=借金はしたくない、日本は経済破綻しないの?という人達には、さらに「デフレを脱却した後、景気が良くなり税収が増えた時、これまでの政治のような使い方でなく、こうすれば借金減りますよ」という話があると安心できるのでしょう。
「そこまで言わなきゃわからないの?」と著者に怒られそうですが(笑)

総じて、私のモヤモヤを晴らしてくれた一冊でした。