小学校時代からの友人が、私のブログをみてパワーを感じたとメールをくれました。
そのメールをみて、逆に私がパワーをもらいました。
ありがとう

さて今回ご紹介するのは、知人を介してお近づきになれたDSDの石井社長から貸して頂いた本。
そのため今回は折らずに付箋をつけながら読みました。
「非常識経営の夜明け」
燃える「フロー」型組織が奇跡を生む
天外伺朗(著) 講談社
非常識経営の夜明け 燃える「フロー」型組織が奇跡を生む 人間性経営学シリーズ2
posted with amazlet at 09.06.17
天外 伺朗
講談社
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”非常識”を半世紀前から実現している会社が、信州に。
天外節、禅に近づくのだろうか?
期待の経営書です
画期的な経営指南書だが・・・天外伺朗とは元ソニーの上席常務である土井利忠さんのペンネーム。
ソニーではCDやワークステーション、AIBOなどの開発に関わってこられた方です。
執筆活動のほかに、企業経営者のための「天外塾」を開いて経営や教育改革にも取り組んでいます。
所謂、経営手法についてというよりも、
経営や科学に宗教・哲学を交えた人間性を持って、社会に向き合うべきかを伝えている方のようです。
天外氏は量子力学といった先端科学と東洋思想が同じことを伝えているということに気づかれ、科学と哲学を独自の方法・視点で融合させ、広い意味での教育に取り組まれています。
その点は、脳機能学者の苫米地英人さんやISL理事長の野田智義さんと共通するものを感じました。
異端の心理学者・ライヒ、サイコセラピー、脳、変性意識、気功といったものと併せて現代科学の話をされるあたりが苫米地さん。
(天外氏の場合は、チクセイントミハイの「フロー状態」を組織で考えているところが特徴ですが)
また、幅広くその道のトップを招いて寺子屋形式で経営者教育を行っているところ、またその中で情動に触れることも大切であると伝えるあたりが野田さんと共通すると感じました。
さて、この本では、ブラジルのセムコ社やアメリカのゴア社といった従来の企業経営の常識からすると考えられないような経営スタイルを紹介しながら、天外氏の考える「人間性経営学」について伝えられています。
従来の企業経営の常識からすると考えられないような経営スタイルとは、いったいどんな経営スタイルかというと、一言で言うと社員を徹底的に「信頼」するものです。
急成長を遂げたブラジルのセムコ社は、徹底的に社員を信頼した企業経営をしています。
ピラミッド型の組織はなく、重要案件は社員の投票で決める。
そのための経営情報はすべて公開する。
そして、その経営情報を理解するための教育には力を入れる。
掃除係にいたるまで、財務諸表の読み方について講習会を受けるといった具合です。
そしてさらには、就業規則や出張規定といったルールや標準を廃止。
そしてなんと、社員は自分の給料は自分で決める。
といった具合です。
天外氏は、これまでの労働生産性を高めてきた「合理主義経営」がある意味で限界に来ていると述べています。
確かにこれまでの合理性を追求する経営手法は一定の成果をもたらしてきました。
しかし一方で、際限なく効率を上げないと競争には勝てない、そしてそれがプレッシャーとして従業員に襲いかかり、どんよりした閉塞感の中でひたすらうつ病だけが増え続けているのが現状だと。
そうした中、天外氏はこれまでとは全く違う方向性をもった新しい潮流=「人間性経営学」の重要性を伝えています。
「信頼」で固く結ばれた組織は、「フロー状態」に入ることができて「燃える集団」につながると言います。
この「信頼」や「人間性の追求」を進めることにより組織が凄まじい勢いで活性化することをベースにした経営手法を「人間性経営学」と名付けているのです。
社員を信頼し、自律的な動きに任せる中で組織が活性化する「燃える集団」の状態を、天外氏は創業期のソニーで体験されています。
そこに、心理学者チクセントミハイの「フロー理論」やガルウェイの「インナーワーク」の考えを取り入れて、自身の考えを確かなものとされてきたことがわかります。
一見、奇想天外な経営スタイルにも感じますが、この本を読むと「なるほど」と感じます。
この言語化せずに(できずに)「感じる」ことが大事なのだと思います。
実は、この本を読みながら、私の社会人3~4年目に出会った上司を思い出していました。
その上司は私心がなく、部下を信頼し仕事を任せ、自身は飄々としていました。
それでいて私たちの課はそれまでと違い、一種の「フロー状態」に入っていたのを覚えています。
私自身その人の部下でいた時は、まるで中学生が寝ている間に背が伸びることがわかるかのように、日々、自分の成長を感じることができて楽しかったのを思い出しました。
そういえば、その当時、上司が社内の管理職に勧めていた本の中に、天外氏の本にも書かれている「タオ」(道)についての本がありました。
当時は、「あのおっさん、ついに宗教じみてきたなぁ」なんて思っていましたが、今やっと伝えたかったことがわかる気がします。
あらためてすごい上司だったと。出会えて幸せだったと。
この本は、脳や深層心理、哲学などに馴染みのない方が読まれると、理解しにくい部分もあると思います。
ただ、天外氏も本書の中で言うように、言語化できない(してはいけない)ものを伝えようとしているところもあるので、ほわっと雰囲気で、でも確実な何かを読み取れることができればいいのだと思います。
経営だけでなく、リーダーシップ論としても通じる本だと思いました。
