村山昇(著) ディスカバー・トゥエンティワン

先日、ご紹介した村山昇さんの最新著。
著者のワークライフである働くことの根っこ=「働き観」をみつめる、ある意味、集大成とも言える一冊。
前回のブログで著者を紹介したところ・・
私のブログやホームページについて、何もお伝えしていないのにご本人からコメントを頂き驚きました。
書評ブロガーの中では「著者降臨」と言うらしいですね。
さて、これを読んでいるみなさんは、
毎日、目の前の仕事が面白くて感謝の気持ちで満ちていますか?
知識や能力が、開けていく感覚ですか?
それとも・・
目の前の仕事がツライですか?
人生の先行きが不安・不透明ですか?
この本の中で村山さんは、日々の仕事を「悶々」とした心理モードでやる「悶々人」である人生と、「快活」モードでやる「快活人」として過ごす人生。
その差の根本は「働き観」にあると言います。
「観」というのは、ポジティブシンキングのような単純な視点の転換ではなく、もっと深いところにある「ものの見方・こころの構え方」のことです。
働くことに関する哲学のようなもののことです。
この本は、それについて難しい言葉で語るのでなく、若手~中堅社員からの36の質問に答える形で分かりやすく伝えてくれています。
例えば、
就職前に聞いていた話と実際の業務や職場環境が違います!
「こんなハズじゃなかった」と思えることばかりです。
会社に期待した私がバカだったのでしょうか?
また、
三回目の人事異動がありました。
どの異動も脈略がなく、会社にいいように使われている感じがします。
これでは一貫性のある能力や経歴が築けないと不安なのですが・・・。
どうですか?実際にありそうでしょ?
たとえ、人事異動はなくとも、得意先をすぐに変更されてしまうのに数字は課せられていて・・・
あるいは、希望通りの配属でなくてなんだか・・・
なんていう人もいると思います。
この本は、こういった具合に、働く者であれば感じたことのあるような36の質問に対して、ひとつひとつ著者が答える形で進みます。
それも、なんかこう、よくあるきれいごとではなく、いろいろと気づかせてくれながら腹に落ちてくる内容です。
著者自身、何回かの転職を経験されていますし、その中で自身のキャリアについても時に揺れながら、真剣に職業人として生きてこられたからだと思います。
私は、以前も書きましたが、本を読む時に「これは!」と思ったところは、ページの端を折るんです。
この本は読み終わってから、折れたページが多かった1冊です。
特に私が「そうそう!!」と声を出したのが
「自分探し」をしたいという問いに対する答えです。
よく「自分探しをしている」という言葉に会います。
実は以前、飲み仲間のavexの人事の人と話をしていて
「自分探しってなんだよ!探すもんじゃないよ。」
と、同じ意見だったのでした。正直、自分探しの意味がわかりません。
しかし、その時はこの感覚をうまく言語化できなかった私たちがいました。
著者は、
「本当の自分」は、未知の中に“つくっていくもの”ととらえるのが実は確実な近道。
「自分試し」を繰り返すことで、知らずのうちに「自分づくり」となる。
と、村山さんは言います。
詳しくは、本を手に取ってその前後も読んでもらいたいのですが、私はこの件(くだり)は膝を打つ思いでした。
さて、この本は、若手社員の悩みに答える形で、働くことについての「観」を述べているので、新入社員から30代前半くらいまでの若手~中堅社員にお勧めですが、その世代を部下に持つ管理職にもお勧めできます。
そしてまた、揺らぎながら働いている全ての世代に読んでもらいたい本です。
私も振れ幅は時に違いますが、常に揺らぎながら、将来の自分に少なからず不安を抱えながら働いています。
今の時代、様々な職種が生まれ、科学技術が進歩しています。
私達は基本的な学問(リベラルアーツ)は学校で学び、実務は会社で教えてもらえますが、もっと根本の「働くこと」については教えてもらえません。
もちろん働きながら、悩みながら、自分なりの就業観・哲学を作っていくものです。
ただ、そのきっかけとなる考えに触れることは、大切だと思います。
私達はこれまで生きてくる中で、親を始めとする周囲の思考に“ある意味”「洗脳」されています。競争社会、勝ち組・負け組みの社会・・・。
だから、悩んでしまうこともある。
自分を持っているつもりの私もそうです。
あ~、(ある種の考えに)縛られてるな。。と感じることもしばしばです。
この本に書いてある価値観を押し付けるつもりは、もちろんありません。
ただ、みなさん、ひとりひとりの新しい時代の働き方、指針としてヒントをもらってみませんか?
何かを考えるきっかけになるとは思います。