ついにママであるイザベラが、正体を堂々とエマ達に明かしてきた約束のネバーランド。
ここからは、お互いに「敵である」と言う事を知りつつの化かし合いになる。しかし、年長組は、要である三人のうち、ノーマンの出荷が決定してしまっていた。
レイの「胎児の頃からの記憶がある」と言うのも中々凄いが、性格的にも能力的にも、エマ・レイを含めた中で一番安定していて優秀な少年なので、彼が欠けるのかと思うとさすがに緊張感がある。
エマとレイは何とかノーマンを出荷させまいと、あれこれ策を巡らせる事に。
レイは発信器を壊す為の道具をノーマンに渡し、ブッ壊して一時身を隠せ、と言う。
その方針で動く事を決めた三人…のはずだったが、何とノーマンは壁の外を確認し、そのまま孤児院へ戻ってきてしまった。
曰く、「ごめん、嘘ついた」。つまり、彼は最初から死ぬ気だったのだ。
敵を騙すにはまず味方から、とは言うが、他の皆が生き残る為に自らが死ぬような嘘をつくとは、覚悟がハンパでは無い。
エマも見送りの瞬間までノーマンを止めようとするが、逆に「今君がすべき事はこれじゃない」と叱咤されてしまう。
イゼベラにも「次に騒ぎたてたら殺す」と釘を刺される始末で、もうノーマンは完全に詰んでいる。
最後の瞬間、ノーマンが想定外の物を見たようなコマが挿入されるが、ここで場面は再びエマ達の所に映ってしまった。
一体ノーマンは何を見たのか?今までのストーリーからすると管理者側の何かを目撃したか、或いは何かコンタクトを取ってきたか。
まあ仮に生き残る道が提示されていたのだとしても、どのみち農場から彼はいなくなってしまうので、ここからはエマとレイの話がしばらく続く事になるだろう。
で、肝心のエマはと言えば何とイザベラからの勧誘を受けていた。全てを諦め、飼育官(ママ)を目指せれば、この先も生きて行く事ができると。
なるほど。イザベラは「全てを諦めて」いたんですねぇ。
子供達の遺品をとっておいたり、感傷的な部分もあると思っていたが、それは大人として、人としての情で、冷徹な部分は諦めに根差した物だったと。
エマは当然拒否するが、かと言って良い方法が思い浮かぶ訳でも無く、悪戯に時を消費する。
レイもノーマンの出荷に絶望し、茫然としつつも時を過ごしている――と思いきや。ある夜、とてつもない悪党ヅラ(失礼)で、レイが「本当は諦めて無いんだろ?」とエマに問いを向けると、エマも負けじと悪い顔をしてレイに笑顔を返す。
つまり、何もせずに呆けていたのはイザベラを騙す為のブラフだったと言う事だ。ノーマンの様に敵を騙すにはまず味方からを実行している辺り、学習能力の高さが伺える。
イザベラが絶対に自分を出荷させたいのだと考え、今度はレイが自身の焼死を提案する。
エマ達を脱出させる為に孤児院を混乱に陥れ、そして出荷もさせずに人として死ぬ。方向こそ違うが、やってる事はノーマンと同じだ。
しかし、今度の犠牲はエマが食いとめた。もう既に脱出の準備は整っていたのだ。
エマ自身や警戒されている年長組は動かずに、まるで警戒されていない年少組を手足として使う事で、計画は着々と進んでいたのだ。
なるほどね、と感心した。
ここで一気にスポットが当たらなかった子供達を引き入れてしまう訳だ。結局、火事に乗じて子供達は深夜の決死行を行う。
イザベラはレイが焼死したのでは無く、発信器のみを残して言った事で「生きてるー!」と喜んでいたが、最後の最後に一人だけ残された子供を発見する。
ここで続くんかい!と思わず声を出す所だった。良い所で続けるのが上手い作品だなぁ、と思う。
続きを読まねば。


