マンションから出るとコンクリートと同じ色の空が広がり、継ぎ目なく永遠と続いている。
威圧感すら覚える空から今にも立場を強調するかのような使いが下りてきそうだ。あぁ、と言い、今の私の心を反映しているな。と思った。
会社に向かう歩幅がだるい。
振り子のように振る右手が重い。
鞄を持つ左手薬指の指輪跡がうずく。
背中から伝わる重力が邪魔だ。
駅に着く間どれくらいの言葉が出てきたことか。そのどれもがカラカラと回る。
改札に定期券をかざす。ピッ、と感情の無い音が私にこもる。無防備だな私。
と、電車の発車音が鳴る。
すぅ、と空気を肺に、私に入れるように乗り込んだ。