る始まりはただ
平凡な幸せを願っていた
ただそれだけだった
幸せになりたい
そして
あの人を幸せにしたい
そんなシンプルな願いだったはずだ
そのためには何が必要で
何者かにならなければならなくて
足りないものを数え始め
沢山の装備を身につけ始めた
そして
人生の脚本通りに行かなくなると
誰かのせいにし始め
できない自分を責めたりもする
今ある小さな幸せに気づかずに
得られないものにばかり意識が向かう
得られない焦り
自分がダメな人間だと思う情けなさ
すると人は恐れから何かを始め
取り憑かれたようにそこに執着をする
恐れから始めたことからは
恐れしか生まれない
何かを失うことの不安は
人から奪うことで癒せても
その不安はまたさらに
不安を生むからだ
今一度
スタートに戻ってみよう
私は一体何を求めていたのだろうか
持っていない不安を煽るもの
購買意欲をかき立てるもの
不安を煽り
取られる前に取ってしまえと
欲望を生み出す社会
そこからは
一旦離れよう
所詮私たちは
土に還る生き物だ
最後に持っていけるものは
魂に刻み付けられた経験だけ
そして残された者に残す思い出のみ
本当は最初から
何も持っていなかった
赤ん坊のように
最期は何も持たず戻っていく
すべては借りていたもの
返すべきもの
ならば恐れることはない
愛に生きよ
