1925年8月 ものすごく暑い日の出来事だ。
東京駅から 名古屋に向かう列車で隣に座っていた おばさんの行動をウオッチングしていた。
おばさんは しきりに足首をまわしている。座席の間隔がせまい。きっと 足が浮腫んでしまったのだろう。その当時はそんな言葉はなかったのだけど 今の言葉で表すのならば エコノミー症候群だろう。
俺は 医学に精通していて 医者のはしくれとして生きていたので おばさんにアドバイスをした。
「狭いところにずっと座っていると 足に血がたまってそれが かたまりになって 血管がつまってしまうぜ。最悪の場合は死んじゃうぜ。たまには 歩いたり 水分を補給しとけば少しは楽になるぜ。」
おばさんは 俺の言葉が 聞こえたのか 聞こえないのか わからないがずっと足首をまわしている。
俺は 俺のアドバイスを 無視したおばさんに 少しだけ ムッとした。もう 2度とアドバイスなんかしてやるもんかと思った。意外とけち臭い男だ。
おばさんが 足首をまわしているのが気になって 気になってしょうがなかった。
もうそれしか 目に入らなくなってしまった。目が充血してしまうほど凝視してしまった。
そうしたら いつの間にか 俺まで 足首をまわしはじめていた。
俺の足もだいぶ血がたまってしまったようだ。少し 車内を歩こうと思った。
ついでに おばさんの頭をひっぱたいてやろうかと思ったがそれはやめておいた。
車内を歩いていたら 列車が揺れた。俺は よろけてしまった。
そこで とっさに手をついたところが オヤジのハゲ頭だった。
幸いにも オヤジは爆睡していたので 俺が手をついたことには気づかなかった。
だけども 俺の手には オヤジのハゲ頭についている 脂がべっとりついてしまった。
オヤジのハゲ頭の脂を手につけたまま 席に戻った。
そうしたら おばさんは まだ 足首をまわしていた。
だけども なんだか 様子がおかしい。
足首のまわしかたがゆっくりになっている。
俺は 一応 医学に精通していて 医者のはしくれとして 生きているので 放っておけない気分になった。
おばさんの靴下を脱がして足首をみてみた。
人間の足じゃない。
歯車がついている。
なんなんだこれは??
俺は 気味が悪くなった。
そこへやってきたのが 金持ち風の外国人の男だった。
金持ち風の外国人の男は困った顔をしていた。
「アブラキレタ。アブラナイト ダイジナ アシマワシオバサンニンギョウトマル。ニンギョウトマルトワタシシヌ。
アブラクダサイ アブラカタブラ」
俺は 金持ち風の外国人が必死そうなので 一緒にアブラを探してあげる事にした。
金持ち風の 外国人はとても喜んで 握手を求めてきた。
握手をした。
手がぬるっとした感触だった。
金持ち風の外国人は 「オオ アブラアッタ タスカッタ」と言った。
俺は 何がなんだかわからぬまま 立ち尽くした。
おばさんは また 元気に 足首をまわしはじめた。
気づけば俺の手についたオヤジのハゲ頭の脂は無くなっていた。
東京駅から 名古屋に向かう列車で隣に座っていた おばさんの行動をウオッチングしていた。
おばさんは しきりに足首をまわしている。座席の間隔がせまい。きっと 足が浮腫んでしまったのだろう。その当時はそんな言葉はなかったのだけど 今の言葉で表すのならば エコノミー症候群だろう。
俺は 医学に精通していて 医者のはしくれとして生きていたので おばさんにアドバイスをした。
「狭いところにずっと座っていると 足に血がたまってそれが かたまりになって 血管がつまってしまうぜ。最悪の場合は死んじゃうぜ。たまには 歩いたり 水分を補給しとけば少しは楽になるぜ。」
おばさんは 俺の言葉が 聞こえたのか 聞こえないのか わからないがずっと足首をまわしている。
俺は 俺のアドバイスを 無視したおばさんに 少しだけ ムッとした。もう 2度とアドバイスなんかしてやるもんかと思った。意外とけち臭い男だ。
おばさんが 足首をまわしているのが気になって 気になってしょうがなかった。
もうそれしか 目に入らなくなってしまった。目が充血してしまうほど凝視してしまった。
そうしたら いつの間にか 俺まで 足首をまわしはじめていた。
俺の足もだいぶ血がたまってしまったようだ。少し 車内を歩こうと思った。
ついでに おばさんの頭をひっぱたいてやろうかと思ったがそれはやめておいた。
車内を歩いていたら 列車が揺れた。俺は よろけてしまった。
そこで とっさに手をついたところが オヤジのハゲ頭だった。
幸いにも オヤジは爆睡していたので 俺が手をついたことには気づかなかった。
だけども 俺の手には オヤジのハゲ頭についている 脂がべっとりついてしまった。
オヤジのハゲ頭の脂を手につけたまま 席に戻った。
そうしたら おばさんは まだ 足首をまわしていた。
だけども なんだか 様子がおかしい。
足首のまわしかたがゆっくりになっている。
俺は 一応 医学に精通していて 医者のはしくれとして 生きているので 放っておけない気分になった。
おばさんの靴下を脱がして足首をみてみた。
人間の足じゃない。
歯車がついている。
なんなんだこれは??
俺は 気味が悪くなった。
そこへやってきたのが 金持ち風の外国人の男だった。
金持ち風の外国人の男は困った顔をしていた。
「アブラキレタ。アブラナイト ダイジナ アシマワシオバサンニンギョウトマル。ニンギョウトマルトワタシシヌ。
アブラクダサイ アブラカタブラ」
俺は 金持ち風の外国人が必死そうなので 一緒にアブラを探してあげる事にした。
金持ち風の 外国人はとても喜んで 握手を求めてきた。
握手をした。
手がぬるっとした感触だった。
金持ち風の外国人は 「オオ アブラアッタ タスカッタ」と言った。
俺は 何がなんだかわからぬまま 立ち尽くした。
おばさんは また 元気に 足首をまわしはじめた。
気づけば俺の手についたオヤジのハゲ頭の脂は無くなっていた。