飛鳥 ラストフライト 2 | Aircraft Makers official blog(old)

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東京理科大学野田キャンパスにある鳥人間サークル『Aircraft Makers』の旧公式ブログです。

午前4時半ころに組み上げも終わり、日の出を待って滑走からのスタート。

2枚の主翼間の距離よりも第二翼と尾翼の間のほうが短いという、
私たちには見慣れたシルエットが朝日に映えます。

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機体の細かい部分を少し紹介。

翼端版は各翼でそれぞれ違なる形をしていて、
前翼である第一翼は平板構成のいわゆるエンド・プレートになっており
翼上下面の気流間を分断し、下方内側へボルテックスリングを誘導します。
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第二翼の翼端はレイクドウイングレットになっています。
左右同じように歪んで、きれいに若干の上反角がついています。
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水平尾翼の翼端は下反角(!)の小型ウイングレットです。
画像がありませんが、水平尾翼がダウンフォース型になっているため
ウイングレットは下反角がついています。


第一翼のボルテックスリングをいかに第二翼が避けるか、
翼の誘導抗力をどうやって減らすか、という点への解決策がこの形でした。

第二翼は乱流層を避けて18cmハイマウントされていますが、
ここで第一翼に一般的な上反型のウイングレットを取り付けると、
ボルテックスリングの発生位置が翼端方向の上面にスライドされます。
誘導抵抗と渦径は小さくなりますが、渦の発生位置と方向が高くなり、
渦後流が第二翼にかなり接近したり、場合によっては直撃するため
これを避けるためにいかにして下方に渦を落とすかがポイントでした。

いくつかの形状を検討する中で、最終的には気流の分断と圧力差低減後の再合流という
ウイングレットのもともとの発想を再現できればいいはずだということで、
板を立て、整流板を取り付け、結果F1のフロントウイング・エンドプレートに似た形状の
翼端整流版をつけることになりました。

第二翼、尾翼の翼端は特に後方を気にしなくてもよいので、単純なウイングレットに。



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5時近くになり明るくなってきたので、
ここで恒例の10m全力ダッシュ。

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「減速ー!」の掛け声がかかるまで、男も女も関係なく全力ダッシュ。
テンションが上がってなぜか何度もやることに。
これで準備は万端。




ここからフライトに入っていきます。

まずは水平尾翼を下げ舵に切っておいて滑走し、
前輪サスペンションの伸び方で揚力バランスを見ることに。

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滑走。

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初回から前輪が浮く。


さらに下げ舵に切って滑走。
やっぱり前輪から浮上。今度は後輪も浮く。
滑走のはずが完全に頭上げ飛行してしまう。

しかも速度が5m超えないくらいでふわふわ飛んでしまう。
機体が軽すぎるのではないかという飛び方。



ここでTF慣れしていないACMの経験のなさを発揮。
とりあえずもうちょっと下げ舵にして走ることに。
ここで主翼の迎角を下げるのが正しいアプローチです。


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当然飛んでしまいます。

数メートルで強制的に減速させ、ほとんど失速させて着地。
これを下げ舵にどんどん切りながら数回繰り返し。

時間も考え、もう一度同じようにやって観察し、飛行を前提にした状態で
頭上げを抑えるような調整をどうするか考えようということに。


当日のテンションもあり、完全な判断ミス。
落ち着いて考えればすぐわかる程度のことができなかったジレンマ。



そして調整の甘いまま、様子見の飛行へ。






続きは後日。