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人力飛行機世界記録は来年へ

エアロセプシーさんの人力飛行機世界記録挑戦は、今週末の挑戦が天候により中止となったため、今年度に関しては一旦終了になったようです。

CYCLE SPORT(自転車雑誌)の記事によると、7月以降は台風、秋は残暑と人力飛行機のフライトを妨げる要素が多いため、5月~6月の時期がベストであり、今年の6月までに実施できなければまた来年ということになるそうです。


楽しみが来年まで持ち越しになったのは残念ですが、ベストコンディションで確実に世界記録を実現するためならば大いに納得できます。


普通の飛行機も天候に左右されますが、ある程度ならば飛ぶことができます。
それは、エンジンや丈夫な機体を使って、ある意味「力技で空を飛んでいる」からだと感じます。
一方、極限まで軽量化された人力飛行機は「空に受け入れられて飛んでいる」というのが適切でしょう。
だからこそ、受け入れられるまで空の機嫌を伺い続ける必要があります。

このためか、人力飛行機は効率や採算を度外視した「世界で一番実用的でない乗り物」という印象すら与えますが、それ故に夢や挑戦という要素が大きいのではないでしょうか?


来年、人力飛行機の素晴らしいニュースが世界に発信されることを期待したいです。

続・人力飛行機世界記録

以前、エアロセプシーさんの人力飛行機世界記録(直線飛行距離115.11km)更新への挑戦に関して記事を書きましたが、報道などで明らかになってきたこともあるので、ここでまとめてみたいと思います。

推測や目安であることを断っていたとはいえ、日大さんのように伊豆半島沿いを南下するだろうという読みは大外れでした、申し訳ありません。

時間帯に関しては、6月5日は離陸予定が日の出直後の4時半から6時の間で、それ以降は天候によらず撤収ということになっていました。

ちなみに、挑戦自体は5月29日からですが、

5月29日は飛行経路途中での天候悪化が予想されたため中止。
6月5日は富士川で待機するも背風(追い風)が止まず断念。
6月6日は天候基準に満たず中止。
6月12日は風の予報が目標値以上なので中止。
6月13日は雨の予報があるため中止。
6月19日、6月20日は梅雨前線の停滞と強風が予報されているため中止。
6月26日、6月27日は風の予報が目標値以上なので中止。

となりました。

これで、今年度の挑戦は残念ながら終了となるようです。
来年に期待したいと思います!


私としては、人力飛行機がいかにデリケートで天候(特に風)に左右される乗り物か、記録飛行と併せてこのことについても多くの人に知ってもらえる機会になれば良い気がします。



さて、テレビ報道ですが、地元企業の地元での挑戦ということで静岡のローカル局でいくつか取り上げられたようです。
あさひテレビでは10分以上の特集コーナーで取り上げられ、本番についても取材・放映することを明言しています。

あさひテレビ(テレビ朝日系列) 「とびっきり!しずおか」

 
静岡放送(TBS系列) 「SBSイブニングeye」


加えて、6月5日の様子も放映されました。静岡あさひテレビさんは密着取材をするみたいです。

あさひテレビ(テレビ朝日系列) 「とびっきり!しずおか」



これらのオンエアを元に地図もやや改定しました。(とはいえ、これも目安と推測ですが…)

より大きな地図で Aircraft Makers 彦根鳥人間コンテストマップ を表示

車で追いかけるとなると、海岸線沿いに御前崎方面へ向かうことになりますね。
伊豆半島よりは道がクネクネしておらず、飛行経路もある程度陸寄りなので、当初の予想よりも見やすいかもしれません。

なお、公共交通機関を利用する場合は…

東海道線で追いかけて、途中駅からバスかタクシーということになるでしょうか?

ACM隠居のフライトログ
時刻表を作ってみました。
(ちなみに、自チームの飛行場TF向けに作った富士川滑空場までの時刻表もあります)

4時半~6時離陸だとすれば、富士川での離陸を見てすぐに、始発もしくは2~3番電車に飛び乗ればイケそうな気も…

由比駅や用宗駅は海に極めて近いです。
しかしながら、飛行機が陸地に比較的接近すると思われる三保の松原、御前崎で見るのが無難かもしれません。三保の松原へは清水駅からバスかタクシー。御前崎へは静岡駅から特急バス、または藤枝駅・菊川駅からバスかタクシーになります。バスは本数が少ないのでタクシー利用も覚悟したほうがいいかもしれません。

人力飛行機は海面に近い高度で飛ぶので、世界記録達成地点が陸から遠ざかることを考えれば、高い位置から見たほうがいいかもしれません。

御前崎灯台

9時から営業というのがキビシイ…

飛行機が来ることを見越して宿泊(!)するならここでしょうか?

御前崎グランドホテル

展望大浴場から人力飛行機が見えたら最高でしょうね!



次に、飛行経路の天気予報です。

風などの情報もあるウェザーニューズのリンク
富士川滑空場
三保の松原
御前崎


最後に、この挑戦に関するニュース記事等をまとめておきます。

SizuokaOnline.com(静岡新聞)
おとな派 エトセトラ:人力飛行機の世界記録に挑戦 ヤマハ発の同好会

CycleStyle.net
キャノンデールの山本が人力飛行機で世界記録挑戦
(Yahoo!ニュースでも紹介)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100601-00000001-cyc-spo

47NEWS
人力飛行機の世界記録に挑戦 ヤマハ発の同好会

日刊工業新聞
ヤマハ発、人力飛行機でギネスに挑戦-到達距離120kmへ

産経新聞
5日に人力飛行の世界記録に挑戦へ 静岡
世界記録挑戦、風向き悪く順延 静岡


だんだんと盛り上がってきましたね。

当日はベストコンディションになって、すばらしい世界記録が生まれることを心からお祈り申し上げます。


エアロセプシーさんの公式Twitter
チーム エアロセプシー (TeamAeroscepsy)

パイロット 山本選手の公式ホームページ
YamamotoKazuhiro.com

USTREAM インターネット中継
エアロセプシー追っかけチャンネル

リアルタイム飛行位置報告(20分おきに更新の予定)
エアロセプシーFAI記録飛行 今ココ飛んでます!!


※当日、飛行場等へ見学に行かれる方はマナーを守って、関係者の迷惑にならない場所からの見学をお願い致します。また、車で行かれる方は駐車場所にも十分注意してください。車で追いかける場合もあらかじめ駐車場を調べ、路上駐車等は絶対におやめください。



人力飛行機世界記録

社会人チーム「エアロセプシー」さんが人力飛行機飛行直線距離世界記録への挑戦を公式に発表して以来、鳥人間界では大きな話題となっています。


とはいえ、世間的にはまだまだ認知されていないといった感じでしょうか…
今のところマスコミも取り上げていないようですし。


しかしながら、仮に記録達成となれば、間違いなくテレビや新聞でニュースとして取り上げられるでしょう。

私としては、せっかくの壮大なプロジェクトなので、ドキュメント番組として放送してもらいたいんですが(笑)
どこかの局でやってくれませんかね…



今回は1988年4月23日、マサチューセッツ工科大学(MIT)の「ダイダロス」号が記録した115.11kmに挑戦することになります。

なので、記録更新ならば22年ぶりの快挙になるわけです。

当時は、神話にちなんでギリシャのクレタ島からサントリニ島までを人力プロペラ機「ダイダロス'88」が4時間かけて飛行しました。

YouTubeに映像があります。

この出来事は日本の鳥人間界にも大きな影響を与え、記録を達成した機体と同じ、高翼後尾翼トラクター(前プロペラ)リカンベント(仰向けのパイロット姿勢)という人力プロペラ機のスタイルは「ダイダロス型」と呼ばれ、今では最もポピュラーな形式になっています。

実際のところ、この形式で設計するチームがあまりにも多く、テレビ番組としての鳥人間コンテストがマンネリ化してしまうという意見もあるほどです。
(とか言いつつ、私もダイダロス型の飛行機を作っていた…)

こういう問題が顕在化したのは、ダイダロス型が最も容易に軽量で低リスクな飛行機が作れると考えられているからで、その優秀さ故というのが何とも複雑です。



さて、Googleマップ上で私が制作している「鳥人間マップ」にも、この記録への挑戦がいかにスケールが大きいかを実感できるオブジェクトを用意しました。


より大きな地図で Aircraft Makers 彦根鳥人間コンテストマップ を表示

富士川滑空場から115.11kmの記録更新ラインは最短距離飛行の実現限界線のレンジで描いているので、半島や岬に回り込んで飛行した場合はこの限りではないことを断わっておきます。


それにしても、本当に長い距離です。
緯度的には三宅島まで南下するわけですから。
東京から船で一晩かかる場所ですよ(笑)


なんか考えるだけでワクワクしてきます。
本当は生で見たいのですが、千葉からは遠いだけに中々そうもいきません。
でも、時代は進んだもので、ネット中継してくださる方がいるのでとても助かります。


ところで、現地へ見に行った場合、富士川滑空場からでは離陸の瞬間と遠ざかる機体を数十分間見るだけとなってしまうことになります。
それでも十分かもしれませんが、世界記録達成の瞬間をなんとか見ることができないでしょうか?

船をチャーターするのは現実的ではないので、車や公共交通機関で飛行機を追いかけるとか…
視界が良好ならば、要所要所で高性能な双眼鏡で探せば見えるかもしれません。


陸沿いに追いかけるならば、西は御前崎、東は伊豆半島の石廊崎が限界でしょう。

過去に日大が日本記録を更新した際の飛行ルートならば、西伊豆の国道136号線を海沿いに進むのがいいような気がします。沼津から特急バスも出ていますが、本数も少なく、ずっと海沿いを走るわけではないので、自家用車でないと難しそうです。

それに、世界記録更新線は伊豆半島突端から相当離れた太平洋上です。陸からでは見えたとしても中盤戦までです。


次に考え付いたのは、定期船を使って海から見る方法。

これは、離陸時間と進行状況に大きく左右されるので、見られる確率は相当低いですが…


まず、最初に飛行ルートを横切る航路である「駿河湾フェリー」

清水港を8:00出港の便では… 遅すぎますかね…
自分の車が載せられる点で便利ですが。


次に、「堂ヶ島遊覧船」

初便は8:15で15分おきに運行という点で便利です。しかし、子供のころ乗ったことがあるのですが、本来は有名な洞窟を見るための遊覧船なので外海に出るのは極めて短い時間と記憶しています。飛行機を見るには不向きかも知れません…



次に、下田から伊豆諸島を結ぶ「神新汽船(東海汽船)」

土曜日ならば、下田を9:20に出港する便に乗れば、記録更新線に近い神津島へ行けます。(日曜は周回航路が逆回りになるので不向き)
航路が飛行ルートを横切る駿河湾フェリーと違い、並行しているので飛行機が東寄りのルートで飛んで、タイミングが合えば長時間見れそう… かも。


これらは妄想なので、飛行機が見られるという保証はありません(笑)
昔の「鉄腕DASH」のようなノリで飛行機を追いかけてみたい方は参考にしてみては(爆)
私は暇とお金があれば絶対にやってると思います。


とはいえ、世界記録の更新が今から楽しみです。