12月のスキー事故の後、2月5日にACL修復(BEARインプラント)と半月板縫合・切除の手術をした。術後2ヶ月過ぎ、やっと先週すべての請求書のプロセスが終わった。
日本とは随分違う、アメリカの健康保険。仕事をしている人は会社が契約している民間の健康保険会社に入るのが一般的。共働きの人は配偶者と自分の健康保険の質を比較してよい方に入るか、両方に加入することも可能だ。プレミアムが全額負担ではない会社が多いから後者の選択はまれだけど、両者の会社がプレミアムを全額出してくれる(自分の負担額ゼロ)のだったら両方に入る人もいるにはいる。
私は健康保険会社に勤めているから、もちろん自分の会社の健康保険に加入している。プレミアムが一か月1万5千位かな。家族全員分だし、保証もけっこうよいのでかなりよい保険だと思う。私の会社では3種類の健康保険から自分に合ったものを選ぶ。車の保険と似ていて、免責金額が低ければ月額が上がるし、行ける病院がかなり限られた保険だと月額が下がるけど健康診断以外は紹介状が必要だったり。若くて健康な人には月額が低い保険が人気だけど、家族持ちの人や病気がちな人は保証がよい方が良いだろうし。色々ある。私のは免責金額と自己負担上限額が高めの真ん中位の保険だけど、周りの同僚に聞くと皆この保険を選んでるから人気商品だと思う。
本題に入る。アメリカの医療費は高い。異常に高い。高いのは知ってたけど、手術は17年前の盲腸以来だったから、やっぱり驚いた!一泊もしない日帰りの膝の手術で、請求額は合計$68,500。日本円だと980万。。と言っても日本とアメリカの物価、収入が大分違うし今かなり円安だから比較は難しい。収入がどの位違うかというと、私の住む市の世帯所得中央値は約12万ドル(1700万位、世帯所得だから共働き家庭だと両方の所得を合わせる)。最低賃金は最近上がって時給$21弱(3200円位)。個人の所得中央値は約$68,000。私の手術代は働く人の年所得とほとんど一緒だった。。
私の保険会社が病院と契約しているので割引があり、最終的に請求額は$58,700に減った。で、私の負担額は年間自己負担最高額で$6,600(95万位)。保険会社は5万2千ドル(740万以上。。)払ったことになる。この時ほど保険があってよかったと思ったことはない。。一括で払えない人はローンにしたりとオプションがある。私の場合自分のミスで起きた事故だったから申し訳なく思う。これからも一生懸命に働きます。。
ちなみに、手術前のテストや診察、PT、術前・術後に行ったERの費用は入れていません。そっちも怖い値段ですが、ここではスキップします。医療費は本当におかしいと思うけど、何故?と言われても答えるのは難しい。病院が儲かっているのか?保険会社が儲かっているのか?医療が高級すぎるのか?(こっちの入院棟では個人部屋しか見たことがない。子供病院はピッカピカで立派な水槽があちこちに。。)政府とかも色々案を出しているけど、本当に複雑に色々な要因が関わっていて、国全体の問題になっている。
必然的にアメリカでは保険に入ってなかったりお金がないと医療を受けられない場合がある。または高いのが分かっててもともと病院に行かずに我慢する人もいる。本当に悲しい事実です。
私も風邪位では絶対に病院には行かない。(赤ちゃんとか持病持ちの人とは別よ。) 年一回の主治医との診察やマンモグラフィーとかはちゃんしてる。
最後におすすめの著者、アトゥール ガワンデ。医学と公衆衛生、また終末期ケアなど興味深い本を出しています。