Acknowledgment Distance Torment -26ページ目

ケータイ小説は好きじゃない。

横書き。

句読点変わりに使われる頻繁な改行。

使い方を間違った記号。

文体のない文字の羅列。

陳腐な内容の文字の羅列。

こんなものが賞を取ってもてはやされるなんて。

曲がりなりにもこの世界を志す俺には許せない。


ただ真面目に読んでみると、たまに感動できてしまうから困る。
ちくしょうめ。

ひのもといち

俺は極悪人でしょうか。

*僕の日常*(5)

これを書く事が、少し不安になってきました。



Sちゃんの家に泊まったおかげで、僕は無事にテストをパス。

自分の中で、昔からの親友の様な。
そんな大事な人間になって来たSちゃん。

そんな彼女の、深い闇に触れたのも、ちょうどこの頃でした。


・Sちゃんには、地元長崎で中学生の頃から高校卒業まで付き合った彼氏がいた。

・Sちゃんは真剣だったが、彼氏はSちゃんの体だけを求めていた。

・彼氏は性的に倒錯していて、それは中高生の男女交際の域を逸していた。

・大学に入ってから新しい彼氏ができたが、その彼はすぐに違う恋人を作り、Sちゃんの元を去った。

・それでも彼をあきらめ切れなかったSちゃんは、自らの提案でしばらく彼との体だけの関係を続けていた。



過剰書きにしてしまえば、安いケータイ小説のようですが、当時のウブな僕に衝撃を与えるには充分でした。
友達として、彼女を救ってあげたい。そう思い始めました。

そして、僕には少しずつ、彼女への同情混じりの恋愛感情が芽生えて行きました。



それと時を同じくして、入学以来、籍だけを置いていたサークルの合宿が、06年7月31日から8月2日にかけて催されました。


僕はこの合宿への参加を最後に、サークルから退部を考えていました。

Sちゃんは何故か合宿への参加を反対しましたが、僕は最後だから、と言って強行しました。



もし、参加していなければ。



僕は今でも。

Sちゃんの家で、友達みんな集まって笑っていたのでしょうか。



僕の大学生活における居場所は、この合宿で得たある出会いをきっかけに、わずか1ヶ月足らずで崩れ去る事になるのです。