他人の商標や流行語になりそうな単語を先取り的に商標出願しているU氏・B社のことは、本ブログでも何度か取り上げています。

U氏・B社の行為を簡単に纏めてみますと、こんな感じです。

(1)超大量に商標登録出願をしている(2017年の出願案件を検索しますと、U氏名義が2393件で、B社名義が9982件ありました)。

(2)その全て(殆ど?)で、本来であれば出願時に納めなければいけない出願手数料を納めていない。

(3)出願手数料を納めていないことを理由に出願が却下される前に、分割出願をして出願を維持している(分割出願の出願手数料も納めていない)。

こうして出願手数料を納めずに出願だけして時間稼ぎをしている間に、先を越された他人にコンタクトして...ということをしているのでしょう。


手続きとしては適法ですが、制度を悪用しているのは明らかです。

当然ですが、特許庁としては、このような商標を登録する訳にはいきません。

 

とうとう、完全排除に乗り出したようです。


まず、この4月から、以下が適用されることになりました。

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商標審査便覧41.100.04
4.出願人の過去の出願件数等から商標の使用及び使用の意思があることに合理的疑義がある場合
上記1.(1)又は(2)に該当しない場合であっても、以下の(ア)及び(イ)の要件に合致するときは、商標を自己の業務に係る商品又は役務について使用する蓋然性が極めて低く、商標の使用及び使用の意思があるかについて合理的疑義があるものとして、商第3条1項柱書に違反すると判断する。なお、当該要件に合致する場合は、商標の使用の意思に関する証明書を提出してきた場合においても、出願人の業務に係る商品・役務について使用するものでないことが明らかであるため、合理的疑義が解消しないものとして扱う。
(ア)出願人の過去の出願件数から、一出願人が自己の業務に係る商品又は役務について使用する商標としては、到底想定し得ない多数の出願を行っている(概ね年間1000件以上)。
(イ)ウェブサイト、報道等から商標の使用及び使用の意思があることが確認できない(例:出願人のウェブサイトによれば、出願人は、もっぱら商標の売買や使用許諾を行っている事実が認められる等)。

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細かいことは抜きにすると、要するに、概ね年間1000件以上の商標を出願している出願人は、それらを使用する意思があるとは到底思えないので、何をしても登録を認めないという運用になりました。


そして、今国会で審議されている法改正が通れば、こうなります。

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(商標登録出願の分割)
第十条 商標登録出願人は、商標登録出願が審査、審判若しくは再審に係属している場合又は商標登録出願についての拒絶をすべき旨の審決に対する訴えが裁判所に係属している場合であつて、かつ、当該商標登録出願について第七十六条第二項の規定により納付すべき手数料を納付している場合に限り、二以上の商品又は役務を指定商品又は指定役務とする商標登録出願の一部を一又は二以上の新たな商標登録出願とすることができる。

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要するに、原出願の出願手数料の納付分割出願の要件であることが、法律上明確になります。

 

※現状でもそのように運用されているようですが、疑義が生じないように法律上明記するようです。

 

 

これで、U氏・B社の行為は、何の意味も持たなくなります。

 

 

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ひので総合特許事務所(埼玉県・大宮)
代表 弁理士 赤塚正樹