弁理士業界では先月から話題になっているプロダクト・バイ・プロセス(PBP)クレームに関する最高裁判決。



この最高裁判決を受けて、今月から特許庁での審査の取扱いが変わりました。
物の発明に係る請求項にその物の製造方法が記載されている場合は、審査官が「不可能・非実際的事情」があると判断できるときを除き、当該物の発明は不明確であると判断し、拒絶理由を通知します


早速、その取扱いでの拒絶理由通知が届きました。

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・理由A
・請求項X
 請求項Xに係る発明は、「・・・・・・」(物の発明)であるが、当該請求項には、「・・・・・・」という、その物の製造方法が記載されているものと認められる。
 ここで、物の発明に係る請求項にその物の製造方法が記載されている場合において、当該請求項の記載が特許法第36条第6項第2号にいう「発明が明確であること」という要件に適合するといえるのは、出願時において当該物をその構造又は特性により直接特定することが不可能であるか、又はおよそ実際的でないという事情(「不可能・非実際的事情」)が存在するときに限られると解するのが相当である(最判平成27年6月5日 平成24年(受)第1204号、同2658号)。
 しかしながら、不可能・非実際的事情が存在することについて、明細書等に記載がなく、また、出願人から主張・立証がされていないため、その存在を認める理由は見いだせない。
 したがって、請求項Xに係る発明は明確でない。

<補正等の示唆>
 出願人は、上記拒絶理由を解消するために、以下の対応をとることが考えられますので、参考にしてください(特許庁HP「プロダクト・バイ・プロセス・クレームに関する当面の審査・審判の取扱い等について」も適宜参照してください)。
ア.該当する請求項の削除
イ.該当する請求項に係る発明を、物を生産する方法の発明とする補正
ウ.該当する請求項に係る発明を、製造方法を含まない物の発明とする補正
エ.不可能・非実際的事情についての意見書等による主張・立証
 補正の際は、出願当初の明細書、特許請求の範囲又は図面(「当初明細書等」)に記載した事項の範囲内で行わなければならないことに留意してください。特に上記ウにおいて単に製造方法の記載を削除する補正は、当初明細書等に記載した事項の範囲内でないものになりやすいことにも留意してください。
 また、上記エにおいて不可能・非実際的事情を主張する際には、「出願時において当該物をその構造又は特性により直接特定すること」が不可能又はおよそ非実際的である事情を具体的に記載してください。
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実は、これより前に拒絶理由通知(理由:進歩性欠如)を受けており、その際の対応で特許になると思っていた案件です。実際に、進歩性欠如の理由は解消しています。

しかし、今回のPBPクレームに対する取扱いの変更により、再度の拒絶理由通知となりました。

特許庁の立場からしてみれば、最高裁判決に沿った取扱いをするしかないのだと思いますが、これまでOKだったPBPクレームに対して後出しルールでNGとするって...それをお客さまに納得して頂くのが難しいですよね。


上記の拒絶理由は定型文になっている感じですし、今後、PBPクレームに対しては殆どこの理由が書かれる気がします。

ちょっとゾッとします。


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