一昨日の7月6日は、弁理士試験の最大のヤマ場である論文試験でしたね。
受験された方、お疲れさまでした。
以下、特許庁から発表されている問題を眺めてみた雑感です。
まず、異常なまでの制度趣旨の乱発状態から、事例中心の問題構成に戻りつつありますね。
バランスもいい感じです。私は、こうあるべきだと思います。
試験制度については様々な批判がありますが、今年の問題はよく練られていると思います。
事例の内容については、かなり基本的なパターンにみえます。ソコソコ合格レベルにある受験生であれば、検討項目も結論もパッと思いつくのではないでしょうか?
ただ、それで「簡単だ~」と思ってしまった受験生は、たぶん「あてはめ」が甘くなってしまっているように思います。
例えば、特許法の問題Iで言えば...
・Xの優先日(:国内書面提出期間の起算日)はいつか、及びその理由を明示しましたか?
・新規性喪失の例外の要件のあてはめをしっかり記載しましたか(特に「特許を受ける権利を有する者」&「6月以内」&「その者」)?
・分割の実体的要件(「直前明細書に記載」&「全部でない」)のあてはめをしましたか?
ここら辺がしっかり答案に書けているのであれば問題ないと思いますが、過去に受験指導をしていた経験からすると、これらは当然のものとして答案に何も記載しない受験生が多いように思います。
逆に言えば、これらの事項をしっかり書こうとすると、あれだけの分量の問題ですので、時間的にもかなり厳しかったのではないでしょうか?
ということで、ちょっと厳しい言い方になりますが、「できた」と思っている人(←項目が全部挙がったと喜んでいる人)が残念な結果となり、「できなかった」と思っている人(←時間的に十分に書ききれず悔しがっている人)が合格する、そんな気がします。
あくまでも個人的な意見ですけどね。
「できなかった」と思っている受験生も、発表までは諦めずに口述試験の勉強をすることを強くお勧めします。