たまには特許の話題でも。
特許権は「新しい」アイデアに対して付与されます。いわゆる新規性ってヤツです。これは誰でも知っていると思います。
では、「新しい」アイデアなら何でも特許権が付与されるかと言えば、そうではありません。既にあるアイデアを「単に組み合わせただけ」のように、「誰でも簡単に思いつく」ものは認められません。いわゆる進歩性ってヤツです。
例えば、「鞄」に「ポケット」を付けるようなアイデアを思いついたとします。「ポケット付き鞄」が世の中にない新しいアイデアであれば、新規性はクリアします。
でも、「ポケット付き鞄」は、「鞄」の機能と「ポケット」の機能を単に持っているに過ぎないと考えられます。もし、「鞄」も「ポケット」も世の中に既にあったとすれば、「ポケット付き鞄」はそれらを「単に組み合わせただけ」となります。そうすると、進歩性はクリアできない可能性が高いです。
要するに、「1」は当然ダメですが、「1+1=2」としてもダメということです。
でも、ここで諦めてはいけません。
もしかして、本当は「1+1=2.5」になっていないですか?
もしなっていれば、それは「単に組み合わせただけ」ではなくなる(0.5の新しい機能・効果が追加されている)ので、進歩性がクリアできるかもしれません。
もしかして、本当は「1+1=1.5」になっていないですか?そして、0.5を補うためにプラスαの工夫をしていませんか?
「1+1=1.5」になることは、組み合わせてみて初めて分かったことです。これまで誰も組み合わせなかった(=「新しい」)のですから、そもそもプラスαをする発想には至らないと考えられます。そうすると、プラスαの工夫は「誰でも簡単に思いつくものではない」として、進歩性がクリアできるかもしれません。
こういった視点があれば、特許権の取得は目の前ですよ。
最近、打合せでこういう話をしていることが多いので、記事にしてみました。