茨城県東海村にある日本原子力研究開発機構の実験施設「J-PARC」で、内部被爆及び放射能漏れ事故が起きてしまいました。

新聞等の報道によれば、異常を検知して安全装置が作動・警報音が鳴ったが、安全装置作動の原因が分からないまま警報をリセットして実験を再開したようです。さらに、その後、放射線量が上昇したので運転を停止したものの、排気ファンを作動させたら線量が下がったので運転を再開したようです。

そんな行動をとることにビックリしますよね。本当に安全のことを考えているのかってね。


ちょっと話が飛びますが、私がメーカーで研究・開発をしていたときの話...じゃなくて、そのときにちょっと小耳に挟んだことを、あたかも私の経験談のようにした話です(笑)

私の専門分野は化学でしたから、いわゆる危険物を多数取り扱っていましたし、プレス装置や高温の装置など危険な装置もたくさん使っていました。

会社としては当然に安全対策に力を入れており、「安全は全てに優先する」というキャッチフレーズのもと、「わざと怪我しようとしても(マニュアル通りに作業している限り)怪我をすることはない」状態まで対策するのが、安全対策の基本的な考え方でした。


でも、そこまで対策をしてしまうと、実際の作業がやりにくいんですよね。いや、下手すると、やりたい作業ができないこともあります。

例えば、ヒートプレス装置は、小さい扉のついた安全ボックスで取り囲み、扉からしか内部に手を入れられない状態にします。さらに、扉が開いている状態ではプレスボタンが反応しないようにし、プレス中に扉を開けるとセンサーが反応して自動でプレスが上がってしまうようにする。

確かに、ここまでやれば、火傷したりプレスに手を挟んだりする可能性は殆どなくなります。


でも、ヒートプレス装置を使って我々は実験をしなければなりません。ところが、大型のサンプルを入れようといても扉が小さくて入れられない、一旦プレスした後に樹脂などが外に流れ出したときに拭きたいけどプレスが上がってしまうと実験にならないから拭けない、そんな問題が発生します。

安全第一だからと言って、大型のサンプルの場合には実験しなくていいという話にはなりませんし、流れ出た樹脂を拭かないと熱で固まってしまって後の掃除が大変なので、拭かないわけにもいかない。

だから何をするかと言えば...安全ボックスを取り外したり、センサーを無効にしたりするんです。そうしなければ実験できないですから。

月に1回くらい安全巡視があります。でも、その日程は予め分かっているので、安全対策を元に戻しておきます。


表向きには「万全の安全対策をしています」と言わなきゃいけないから、実作業のことを全く考えずに体裁を整える。でも、それじゃ使いにくいから、作業者はルールを無視して作業する。それでも殆ど問題は起きません。

仮に何か問題が起こっても、ルールを無視したことがバレるとまずいので、何とか隠ぺいしようとする。それで、殆どのケースは終わる。思った以上に問題が大きくなってしまい、どうにもならなくなったときだけ、仕方なく報告する。

今回の事故も、結局そういうことなのかなと思います。あくまでも私の推測に過ぎませんが。


にほんブログ村ランキングに参加していますビックリマーク
よろしければワンクリックをお願いしますねラブラブ

   
↑OUTランキング↑  INランキング