ここに来て、複数のお客様からマドプロ出願のご依頼を頂戴することができました。
マドプロ出願とは、簡単に言うと、日本の登録商標を持っている会社が、マドリッド協定議定書の締約国において、一括して商標の保護を受けるための手続きです。もちろん、通常どおり各国それぞれに手続きしても構わないのですが、マドプロ出願の方が費用的にも安いし管理もしやすいので、マドリッド協定議定書の締約国に2ヵ国以上出願する場合は、こちらをお勧めしています。
とは言っても、弊所でマドプロ出願をするのは、実は初めてになります。もちろん制度は理解していますし、昨年には説明会にも参加して必要な手続きについてイメージトレーニングをして、いざというときのために国際事務局(WIPO)への送金準備もしてありました。
なので特に問題ないと思っていたのですが、やはり実際の案件で願書を作成してみると、100%の自信が持てない部分が幾つかありました。特許庁の国際商標出願室に問い合わせて確認しましたので、その点を備忘録として記事にしておきます。
◆第1ページの左上の"For use by the applicant"欄
"continuation sheet"や"MM17 form"がない場合は、空欄でよい("0"と記載する必要はない)
◆第1ページ「2」の"APPLICANT"の"(c) Address for correspondence"欄
"(b) Address"と違う場所に連絡を受けたい場合に記入しますが、ここには代理人の住所を書くのではなく、あくまでも出願人として優先する住所を書く。なお、代理人の欄に連絡先が書いてある場合、そちらが優先される(当たり前か~)。
◆第5ページ「12」の"SIGNATURE ..."欄
署名又は押印の一方をすればよく、例えば弁理士印を押せばいい。ちなみに弁理士印を押すと枠からはみ出てしまうが、それで構わないとのこと。
◆最終ページの"FEE CALCULATION SHEET"の"(c) METHOD OF PAYMENT"欄
私は、WIPOに手数料を送金するため、ロイズ銀行の「Goロイズ海外送金サービス」に登録しました。ところが、詳細を確認したところ、振込人名が事務所名(HINODE IP FIRM)で登録になっています。代理人(私)と名義が違いますので、「これはまずい!名義変更をしなくちゃ!」と思ってロイズ銀行に問いあわせたところ、他の特許事務所も事務所名で登録していて、事務所名でWIPOに送金しているとのことでした。
じゃ、WIPOでは振込人の名義をどうやって見分けているのかと思ったら、この欄の"Identity of the party effecting the payment"と"Payment identification"の記載で見分けているようです。要するに、ここに代理人(私)の氏名ではなく"HINODE IP FIRM"と書けばよいそうです。なお、日付は送金処理日を書きます。
◆送金処理日と出願日の関係
マドプロ出願では、WIPO手数料を先に納付しなければいけないのですが、通常、外国送金は送金処理してから2日くらいかかるはずです。その点に問題ないかも問い合わせましたが、送金処理が完了した後であればマドプロ出願してよいとのことでした。当たり前と言えば当たり前ですが...
◆送金時の「受取人への連絡事項」
これは手持ちの資料に書いてあるのですが、見つけるのが大変だったので、一応記載しておきます。
送金処理をするにあたり、「受取人への連絡事項」に、送金目的(Purpose: Madrid applin)、基礎登録番号(Basic No.: xxxxxxx)、出願人名(Applin name: yyyy)、商標(Mark: zzzz)を、この順に制限文字数以内で記載します。商標は文字商標の場合で、図形の場合はもちろん不要(というか書けない)。
いずれも本質的な部分ではないのですが、いつもながら、こういうことに苦労するな~