特許事務所を開業してからつい先日まで、お客様からご依頼頂いたお仕事で弊所側からお断りしたものはゼロでした。もともと選り好みをしている余裕などありませんし、どんな案件でもそれなりの経験を積ませて頂けるので、そんな機会をミスミス逃すようなことはしないように心がけていました。
ただ、ここのところ立て続けに3件、お断りするケースが出てしまいました。
1つは、前の事務所からの翻訳依頼。通常は1ヶ月ほど時間を頂戴して翻訳作業のスケジューリングをすることが多いんですが、今回はかなり急ぎで、どうも数日で仕上げて欲しいような雰囲気でした。
私の手帳を見ると、今週~来週にかけてかなりの予定が入っていて、手持ちの仕事だけでもギリギリのラインだったので、「やります」とは言えませんでした。
でも、週末に入っていた飲み会をキャンセルして一晩くらい徹夜すれば、対応できたような気もする...その場で「やります」と言ってしまえば、あとは何とか調整して「できる」んですよね。もう今となっては後の祭りですが、ちょっと後悔。
もう1つは、知人からの紹介で舞い込んできたPCT出願の話。期限もそれ程余裕があるわけではなかったのですが、それよりも生命・医学分野というのがネックでした。
私は化学・材料分野が専門ですが、開業してからは電気や機械分野の特許出願のご依頼もあり、勉強しながら対応させて頂いています。私は電気や機械の専門家ではありませんが、このあたりは大学で一通りの勉強をしていますので、結果として何とかなっています。
しかし、私は生命・医学分野を全く勉強したことがないので、「やります」とは言えませんでした。その紹介してくれた知人には、対応できる可能性がある別の弁理士の情報を伝えました。
お客様のことを考えると、こちらは断ってよかったはず...それも本当かな~お客様は当てがなくて困っているんだし、それを知った知人は私を信頼して話を振ってくれていることを考えると、頑張って対応するのが筋だったかな...でも正直やり遂げる自信はないし、結果としてご迷惑をかける可能性も...いやいやそれをやっていくのが弁理士という気も...正式に断った今でも、これでよかったか分からず、何だか堂々巡りしています。
あとの1件は、飛び込みのお客様からの権利譲渡交渉の話。譲渡「手続」なら対応させて頂くところなのですが、譲渡「交渉」となると経験不足なのでお断りしました。う~ん、これもよかったのか分かりません。
ということで、これらの話は終わったことですが、これから仕事を受任するスタンスについて、ちょっと悩んでしまっています。