先日、ある知人から勧められて、この本を読みました。
皆さんはご存じだと思いますが、この「下町ロケット」は今年の直木賞受賞作品で、本屋に行けばベストセラーのところにズラリと並んでいると思います。
なんだ~わざわざ記事にする程のことでもないじゃない。そうですね。普通の方なら。
でも、私、本を読むのが大嫌いなんです。小さいころから本を読み始めると数分で頭が痛くなってくるので、それでも読める星新一のショートショートくらいが限界でした。なので、自慢することではありませんが...生まれてこの方、直木賞作品なんか1冊も読んだことがありませんでした。
ただ、「下町ロケット」は、最先端技術の特許を持つ中小企業と大企業の争いだというので、ちょっと興味が出てきて、読めるかどうか半信半疑でしたが、思い切って本屋さんに行って買ってみました。
で、読み始めてみると...面白くて面白くて、ほとんど一気に読み切ってしまいました。
特許権侵害訴訟や実施権交渉の場面などはめちゃくちゃリアルです。何にも理解せずに報道しているマスコミとは全く違い、弁理士とか弁護士とかが自ら担当したケースを詳細にレポートしているのかと思えるほど深いです。また、中小企業の経営者の苦悩の描写も鋭くて、社内にある様々な問題点に立ち向かう姿勢などは、なるほど~とただただ感心するだけでした。
特許権紛争の解説書や経営者向けの指南書は沢山ありますが、あんまり実例は記載されていないでしょうし、こういうことの考え方に正解はないので、この「下町ロケット」で実例(もちろんフィクションですが)を学んだ方がずっとずっと役に立つと思いました。
私の本(特に小説)に対する見方がちょっと変わった一冊でした。