先日、検索エキスパート研修[上級]に参加しました。その名の通り、サーチのプロになるための研修で、4日間連続で朝10時ごろから夕方6時ごろまでみっちり行うハードな内容です。
その間、朝早くに(というか、いつも通りの朝6時に)事務所に出勤して可能な限り仕事をしたのですが、こんなときに限って見積もり依頼などが入ったりして、殆ど仕事ができなかったのが正直なところです。
それはさておき、実は、私はサーチなど殆どやったことがありません。大企業は自社内にサーチ部隊が居ますので、前の特許事務所にサーチの依頼が来ることはありませんでした。ただ、特許事務所を独立開業した今は、大企業だけでなく中小企業の知財に関するサポートなどもやろうと考えていますので、最低限のサーチはできるようになっていた方がいいだろうということで、今回、上記研修に参加することにしました。
[中級]という研修もあるのですが、[上級]だと審査官端末を使った本格的なサーチを習得するらしいということで、あえて[上級]に参加しました。
[上級]というだけあって、それこそ大企業のサーチ部隊の方や、特許庁が外注する登録調査機関の方などが多く、弁理士は結構少なかった感じです。内容的には正直難しかったですが、すっごく勉強になりました。
なかでもFターム検索の威力を思い知りました。特に化学分野の検索では、化学物質の表記の方法がバラバラなので、キーワード検索など殆ど役に立たないことも分かりました。例えば、演習で出た1成分である「エチレン-ビニルアルコール系共重合体」ですが、これ以外にかなりの数の表記が思いつきます。
・EVOH
・エチレン-酢酸ビニル共重合体ケン化物
・「系」のないパターン
・「-」がない又は「/」のパターン
・「ー(長音)」が「-(ハイフン)」になっているパターン
・「ケン」が「けん」や「鹸」のパターン
仮に想定される表記を全て"or"で結んだとしても、構造式でのみ書かれている文献はヒットしません。これがFターム検索だと、ほぼ漏れなくヒットしてきます(Fターム自体は人間が付しているので100%ではないらしいですが)。
IPDLでもFターム検索ができますし、特許庁の2階に行けば審査官端末を使うこともできるので、これからはボチボチ利用していこうと思っています。
蛇足ですが、審査官は、1件の特許出願を審査する際に400件くらいの文献に目を通しているらしいです。えっ、そんなに沢山の文献を見てるの...本当にお疲れさまです。