もう6月になりました。例年なら衣替えで半袖になるんですが、まだ肌寒くて未だ長袖のままです。それにしても殆ど春を感じないまま梅雨入りしていまいましたね。
ところで、ここのところ数件の特許翻訳(日本語→英語)をやっています。前の事務所では、翻訳は業者や個人の翻訳者に外注していて、あがってきた翻訳文をチェックするだけだったのですが、特許事務所を独立開業するにあたって前の事務所にお願いし、翻訳外注の依頼を頂くことになりました。
もちろん特許翻訳ソフトを買いました。特許翻訳ソフトの値段はビックリするくらい高いんですが、特許明細書って表現が極めて特殊ですし、テクニカルタームの辞書がしっかりしていないと話にならないので、ある意味では仕方ないとも思います。
でも、その翻訳ソフトを使ってみると殆ど使いものにならないことが分かってきました。正直、出てきた翻訳文をチラッと見ながらも、原文を読んで一から文章を打ち直している始末です。
その原因の一つとして、私がまだソフトを十分に使いこなせておらず、また案件数も未だ少なくソフトが育っていないこともありそうなんですが、それより根本的な問題として...日本語が悪いんです。
これは特許明細書を書く仕事をしている私自身が反省しなければならないんですが、とにかく文が長すぎます。これは判決文なんかでもよく言われていることで、日本語ではいくつもの文を接続詞でドンドン繋げてしまう傾向があります。途中で主語が変わったり、その変わった主語が省略されたりして、もう滅茶苦茶です。
日本人がみても滅茶苦茶な構造なので、そんな文章を翻訳ソフトにかけても、その翻訳文はまず使いものになりません。かけるだけ無駄って感じです。
あと、日本語として読む分には全く困らない表現でも、英語にしようとすると途端に悩む表現があります。例えば、ちょうど先ほど作業していて悩んだ表現として「や」があります。
「…としてA『や』Bを使用する。」
「…としてA『や』Bが知られている。」
これだけでは確定的なことは言えないかもしれませんが、私の感覚では、前者「や」は"or"の意味で、後者の「や」は"and"の意味なんです。これをソフトで訳し分けることは不可能だと思います。
こんな細かいこと...実は、この"or"なのか"and"なのかがネックになって取れる権利範囲が狭くなることもあるんです。もちろん問題ないことの方が多いんですが、その可能性がある以上、こういうことを疎かにできないんです。
でも、この辺りは、特許明細書を書く段階でちょっと気を付ければ(英語をイメージして書けば)、翻訳ソフトでもスンナリいく部分だったりします。頭では分かっていたはずなんですが、実際に翻訳してそれを実感しました。