5月22日(日)は、弁理士試験の一次試験(短答式筆記試験)ですね。私のゼミに所属していたメンバーの中にも受験される方がいます。受験される方には、本当に頑張って欲しいです。



短答試験は、原則5択(ごくまれに4択)のマークシートなんですが、最近は問題文が長く、1つの問題文(前段+5枝)がA4用紙1ページで収まっていないこともあります。そんな問題を3時間半で60問解かなければなりません。単純計算でも3.5分/1問、通常は見直しやトイレ休憩(?)の時間を考慮して3分/1問で解くのが一般的ですので、1枝に費やせる時間は30秒あるかないかです。このペースを3時間以上維持するのは至難の業です。


また、出題される法域(特許法・実用新案法、意匠法、商標法、パリ条約、PCT条約、マドリッドプロトコル、TRIPS協定、著作権法、不正競争防止法)が極めて広く、それが第1問~第60問までバラバラに配置されていることが、この試験をさらに難しくしています。とにかくパッパパッパと頭を切り替えないと、他の法域の知識に引っ張られてしまうこともあります。


このような試験ですので、焦ったら負けです。受験生の皆さんは、「後ろ(第60問)から前(第1問)に向かって解く」とか「30問解いた後にトイレに行く」など一定のルールを作って、自分を落ち着かせ、この難しい試験を乗り切ろうとしていると思います。


ただ、気を付けて欲しいのは、そのルールが脆くも崩れ去ったときです。崩れないにしても、それによって想定外の流れになる可能性もあります。



私の実体験を話しますと、私は、不競→意匠→商標→マドプロ→(ここでトイレ)→特実→PCT→パリ→TRIPS→著作の順で解くというルールでずっと対応してきました。不競と意匠は得意だった(というか問題が簡単なことが多かった)ので、まずはそれを確実にやっつけて15点を確保して気持ちを安心させ、その状態で商標系をこなしてからトイレに行って、すっきり頭を切り換えてから特実系に取りかかる(パリの後ろの方と、著作・TRIPSは捨てていました)というパターンでした。


しかし、当日フタを開けてみると、不競の第1問は悪名高き「ダンディ甲田」の問題...この1問だけで悩みに悩んでなんと10分近くも経ってしまい、その他の不競の問題も前年からは考えられないくらい難しくって、完全にペースが狂ってしまいました。結局トイレもいけず見直しもできないまま、何とか60問のマークをした時点で3時間半の試験時間が終わってしまいました。


結局、焦らないために作ったルールに縛られてしまい、逆に焦ってしまっています。結果は何とか滑り込みで合格でしたが、知識が荒削りだった前年よりも得点が低かったのにはショックを受けました。



ルールを作ることがダメとは思いませんが、一定のフレキシビリティを持たせておかないと、当日の究極なまでにピリピリした雰囲気の中で、頭の中が真っ白になって舞い上がってしまう可能性があるということです。


受験生の皆さんは、こういうことがないように気を付けましょうね。