LOVERS


『LOVERS』 (2004・・中国)

■監督:チャン・イーモウ

■撮影:チャオ・シャオティン

■音楽:梅林茂

■キャスト:金城武 チャン・ツィイー アンディ・ラウ


さて『LOVERS』。『HERO』で味をしめたのか何なのかは謎ですが、今度の舞台は唐の時代。『HERO』が思想や平和みたいなものを言わんとしているのならば、この映画では「愛」を中心に据えて描いています。

僕個人としては、映画に愛を求めていないので(ひねくれてるのかな(笑))、あまり期待をせずに映像や音楽に着目点をおきながら見てみました。


あくまで個人的に受けた感想はと言うと…、やっぱり今いちでした(笑)。やはりアクションものはあまり好きではないので(この作品を「恋愛もの」、「歴史もの」とカテゴライズしても何だか…ですよね)、楽しめませんでした。スローモーションとか要らないし、最後のシーンとかも読めるし。まぁアクションシーンって見てて面白いんですけどね。他の作品と比べるとあまり良くない。


まぁ感想を総括すると、チャンツィーがきれいでした、になるかなぁ。そんなに好きでもないんだけれど、やっぱりかわいいよなぁ。って誰に弁明してるんだろうなぁ。


【勝手に採点:★★★★☆☆☆☆☆☆】

博士の異常な愛情


『博士の異常な愛情/または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか』 (1964・アメリカ,イギリス)

■監督:スタンリーキューブリック

■撮影:ギルバート・ジョージ

■音楽:ローリー・ジョンソン

■キャスト:ピーター・セラーズ ジョージ・C・スコット スターリング・ヘイドン キーナン・ウィン


アメリカとソ連による冷戦時代に、キューブリックが放ったブラックユーモア作品です。

人間の狂気を中心に据えて、膨大な力(核兵器)を握ってしまった人間が如何なる行動を取るかが描かれています。


いやぁ、なかなか痛快でした。先に軍部が勝手な行動を取り、それを大統領ら政治家たちが食い止めようとするのですが、それも上手くいかず・・・。アメリカでは軍部が非常に力を持っているんですよね。キューバ危機のときも、軍部は戦争に乗り気だったといいますし。政治家も頭が痛いでしょうね(笑)。


軍部の主張は、ソ連の勝手な行動を放置しておいたら世界中が共産化してしまう、という被害妄想のたまもので、先日見たヴェンダースの『Land Of Plenty』と共通するところがありました。強大な権力を持つものには、いつ手にした権力を失うかもしれない、といった種の悩みはつき物ですからね。定めといえばそれまでなのでしょうけれど。


何はともあれ、一人の人間の狂気によって世界が滅びる、という話は怖いですね。映画自体はユーモアたっぷりに描かれているので、十分楽しめましたよ~。


【勝手に採点:★★★★★★☆☆☆☆】

Land of Plenty


『Land Of Plenty』 (2004・アメリカ,ドイツ)

■監督:ヴィム・ウェンダーズ

■撮影:フランツ・ラスティグ

■音楽:トム&ナクト

■キャスト:ミシェル・ウィリアムズ ジョン・ディール リチャード・エドソン ウェンデル・ピアーズ


久々に映画館に行って映画を見てきました。『ブエナビスタ~』で有名なヴィムヴェンダーズ監督の新作、『Land Of Plenty』。


いや~、ガラガラでした(笑)。やや枯れた感があるとはいえ、ヴェンダーズですよ、ヴェンダーズ。まぁ公開から1ヶ月以上経っていますし、好きな人はもうとっくに行ってるだろうけれど。半分どころか、1/3くらいでしたからね。まぁ空いていて良かったといえば良かったのですが。


この作品は端的に言うと、「9・11以降のアメリカ」を描いた作品です。主人公はアフリカ・イスラエル育ちのアメリカ人女性(20)で、伯父を訪ねるために故郷アメリカに帰ってきます。この伯父さんはベトナム戦争の後遺症を引きずっている熱狂的な愛国主義者。一方アフリカ育ちの女性は、長いことアメリカを離れているので、客観的にアメリカの国際的な位置を知っている。その二人がある事件のために行動を共にすることになり、そこで伯父さんは今までの人生は何だったのかを考えるようになる…。という話です。


この映画で特筆すべきことは、アメリカの現在の「闇」が上手に描かれていることです。そしてこの映画は、その闇が紛れもなく自らの手(アメリカ自身)によって作り出されたものである、と言っています(たぶん)。この事実をこれからのアメリカがどう捉えるか。


これは非常に複雑な問題であることは言うまでもありません。ですが、ひとつだけ確信を持って言えることがあります。それは、監視カメラを使って不審者をチェックしたり、現場レベルで職務質問をすることなんてことは、付け焼刃に過ぎないのであって、イージーな手段であります。きっとアメリカ政府もそんなことで問題が解決するなんて思っていなかったでしょう。抜本的な問題見直しのためには、もっと思い切った処置が必要なのではないでしょうか。かと言って具体的な提案ができないところが、情けないところですが(笑)。


転換期としての9・11を、改めて考えさせてくれる映画でした。


Land Of Plenty公式ページ


【勝手に採点:★★★★★★★☆☆☆】

カンダハール


『KANDAHAR』 (2001・イラン)

■監督:モフセン・マフマルバル

■撮影:エブラヒム・ガフォリ

■音楽:モハマド・レザ・ダルビシ

■キャスト:ニルファー・パズィラ ハッサン・タンタイ サダユー・ティモリー


ソ連侵攻、さらには泥沼の内戦にも発展してしまった国、アフガニスタン。この国にはアラブ各国のように、石油等の資源も出ないために国際社会から見離されていた。そんなアフガニスタンの悲惨な現状に迫った映画、カンダハール。


カナダへ亡命した一人のアフガニスタン女性、ナファス。彼女はある日、母国に残してきた妹からの手紙を受け取ります。その文面には、周辺の悲惨な状況が書かれていて、自殺をほのめかす内容が記されていました。ショックを受けたナファスは、単身カンダハールにいる妹のもとを訪ねる・・・。とまぁストーリーはこういうものです。


目を覆いたくなるような飢餓や貧困、内戦中に無作為に仕掛けられた地雷による被害者の増加、圧倒的に数の足りない医療所など、この国の状況は、本当にどん底です。その様子を隠すことなく、映像化して世界中に発信するということで、この映画は十分に評価されるべきであると思います。


しかし、やや不満な点もありました。それは、アフガニスタンの女性が着用するブルカを「女性抑圧の象徴」という枠からはみ出せずに、一方的に非難すること。それぞれの土地に生まれた特有のものを「文化」と呼ぶわけですから、上からものを見るように批判するだけではなく、メリットとデメリットを提示するような形にして欲しかった。


最後に、監督であるモフセン・マフマルバフ氏の著書、『アフガニスタンの仏像は破壊されたのではない。恥辱のあまり崩れ落ちたのだ。』より印象的な言葉を抜粋して、この映画レビューを占めたいと思います。


「石仏は崩れ落ちることで、瀕死にある国を指差した。

だが、誰もそれを見なかった。

愚か者はあなたが月を指差せば、月ではなくその指を見るのだ。」


「タリバンは、遠くから見れば危険なイスラム原理主義者だが、

近くから見れば、それはパシュトゥーンの飢えた孤児たちである。」


【勝手に採点:★★★★★★★☆☆☆】

白い風船


『白い風船』 (1995・イラン)

■監督:ジャファル・パナヒー

■撮影:ファルザッド・ジョダット

■脚本:アッバス・キアロスタミ

■キャスト:アイーダ・モハマッドカーニ モーセン・カリフィ フェレシュティー・サドル・オーファニ


『桜桃の味』でキアロスタミ氏に感銘を受け、探し回って(というほどではないのだけれど)見つけたこの作品。


そもそもイラン映画の魅力というと、「日常の中に溢れている、ややもすれば見落としてしまいそうな些細なことを、如何にありありと描いているか」という点にあると思います。その観点でイラン映画を見て楽しむことが出来る僕としては、これは良い作品でした。とにかく、描写が細かい。


規制が多いイランという国情の中で、シンプルに徹してよくここまでの映画が作れるなぁ、といつも思わされます。それにしてもイラン人よ、君たちはここまでに不親切なのか?(笑)


何はともあれ、子供の時を思い出す、ほのぼのした世界をのぞき見ることが出来ます。


【勝手に採点:★★★★★★★☆☆☆】

DISTANCE


『DISTANCE』 (2001・日本)

■監督:是枝裕和

■撮影:山崎裕

■音楽:なし

■キャスト:ARATA 伊勢谷友介 寺島進 夏川結衣 浅野忠信


この映画は、無差別殺人事件を犯したカルト教団の親族である男女4人とその教団の元信者が、ふとしたことから同じロッジに泊まることになり、そこでの一日の様子を描いたものです。笑えるシーンはほとんど無く、淡々と時間が流れていきます。


音楽は一切使われていません(エンドロールでもなし)。それはきっと、ほとんどの撮影が山奥の小屋で行われているため自然の音を活かそう、とすると同時に視聴者が画面の一部に含まれているような印象を受けることが出来るようにだと思います。また演技も自然で(あまり台詞はなかったらしいです)、僕はいつのまにか彼らに親近感を感じるようになってました。きっとまんまと是枝氏の罠にかかったのでしょう。


今までの映画だと(僕が知らないだけかもしれませんが)、「加害者の家族」を中心に据えた映画って少なかった気がします。当然加害者は一人で生まれてくるわけではないですから、加害者の数以上に「加害者の家族」はいるわけですよね。そこにスポットを当てて、さらにその複雑な心境をよく描いていました。


この映画はさらに「遊び」の要素も含まれています(それはより深い悲劇なのですが、これから見る方のために伏せて置きます)。正直見終わってから5分くらい気付かなかったのですが(バカですね)、なかなか上手に随所随所に手がかりを挿入しています。これからご覧になる方は、その点も楽しんで見てくださいね。途中で気付いた方がいたら、かなり鋭いと思いますよ~。


【勝手に採点:★★★★★★★★★☆】


DISTANCE公式ペ-ジ

HERO


『HERO』 (2002・香港,中国)

■監督:チャン・イーモウ

■撮影:クリストファー・ドイル

■音楽:タン・ドゥン

■キャスト:ジェット・リー トニー・レオン マギー・チャン チャン・ツィイー


さてさて、チャン・イーモウを紹介するのは2作目です。今回は『HERO』。

僕の周りでは評価が低いこの作品、出来るだけ先入観をなくして見てみました。それでは本題へ。


舞台は紀元前200年の戦乱の世の中国。もうこれだけで大体察しがつきますね?そうです、チャンバラシーンが頻繁に出てきます。それもCGやらなんやら使っていて(調べたわけじゃないけれど…使ってるよなぁ)、ありえない動きをします。もうそれはそれは凄いですよ。トニーレオンもジェットリーも川の上で飛び跳ねたり、何百本もの弓をかわしたり、伊藤みどりさんもびっくりの回転をしたり。まぁ結構楽しんでたんですけれどね(笑)。


あと目に付いたところは、金遣いすぎってこと。もうめちゃめちゃ掛かってますね。すごい金が掛っていそうな映画って、何かうるさい印象を受けてしまうのでもっとシンプルにして欲しかったなぁ、って思います。でもこの映画はあまりケチると迫力でないし、まぁ良かったのか。


この映画を不可能を承知で、一言で無理矢理まとめると「風光明媚」とでもいいましょうか。クリストファードイル氏の映像はやっぱり美しい!それに尽きます。あとチャンツィイーがやっぱりきれいでした。


【勝手に採点:★★★★★★☆☆☆☆】

大河のうた



『大河のうた』 (1956・インド)
■監督:サタジッドレイ
■撮影:スプラタ・ミットラ
■音楽:ラヴィ・シャンカール
■キャスト:ピナキ・セン・グプタ スマラン・ゴーシャル コルナ・バナルジー



以前からこの監督の名前は知っていて、本当は『大地のうた』という作品を見たかったのです。しかしその作品は僕が愛用しているレンタルビデオ屋さんには置いていませんでした。そこで先日たまたまこの作品を見つけたので、早速借りて先日見てみました。内容は、なかなか良かったです。、それからネットでちらちらこの映画の情報を見ているときに、衝撃的な(というほどでも無いのですが)ことに気付きました。


どうやら『大河のうた』は『大地のうた』の続きらしい。


ということでやや後悔しましたが、これにめげずいつか『大地のうた』を見ようと思ったのであります。さて、長い前置きはこの辺にして本編に。


僕はインドが好きで今まで3回訪れているのですが、こういうインド映画もあるのか、と新鮮でした。僕は現地で数回映画館へ足を運びましたが、そのほとんどが『踊るマハラジャ』みたいな美男美女が踊って歌う(しかも異様に長い)映画なのです。まぁインドの映画館で見ている分には楽しいのですが(インド人は、きれいな女優さんが出てくると口笛をならしたり、拍手したりするんですよ(映画館で!)、それを見ていて楽しいってこと)、それ以外で見ても絶対面白くないんですね(笑)。ですのでこういう所謂「普通の」映画を見たことなかったのです。


優秀な成績で高校を卒業し、未来への希望を胸に抱えて都会へ向かうオプー。それに対して、息子に平凡な僧でもいいから、田舎で一緒に暮らすことを望んでいる母親。移動の自由(土地・階級)のある現代では、万国共通のテーマであると思います。若者は都会へ行きたがり、親はそれに反対して手元に置こうとする。映像と音楽がなかなか良いので(あまり派手ではないので、安心して見ていられる)、見応えありの作品となっています。他のも見てみよう。


【勝手に採点:★★★★★☆☆☆☆☆】

再見 また逢う日まで


『再見 また逢う日まで』 (2001・中国)

監督:ユイ・チョン

撮影:カン・ルー

音楽:ロアン・シュー
キャスト:ジジ・リョン シア・ユイ ジャン・ウー チェン・シー デヴィッド・リー


いや、本当にストーリーなんて拙いんですよ。それに泣かせよう、って魂胆も垣間見えるし。でも、でもですね!お兄ちゃんが、お兄ちゃんが…。
やはり家族ものには弱いみたいですね~(笑)。
 
どこかの国みたいに(あえてどこの国かは言いませんが)、多額な制作費をかけなくても良い映画って作れるんですよね~。それを再確認させてくれるシンプルな良い映画でした。はい。


映画で泣きたいなぁ~って思っている人におススメです。


【勝手に採点:★★★★★★★☆☆☆

花様年華



『花様年華 In the mood for Love』 (2000・香港)
■監督:ウォンカーウァイ
■撮影:クリストファードイル リーピンビン
■音楽:マイケル・ガラッソ 梅林茂
■キャスト:トニーレオン マギーチャン スーピンラン


ウォンカーウァイ氏の作品『2046』を見たなら、絶対コレも見ておいた方がいいよ、と友達に言われ、そういえばまだ見ていなかったことを思い出して見てみました。ということで『花様年華』。


この映画についての私見を述べると、「カメラワークがオシャレ」ということと、「ラブシーンを必要としないとても官能的な映画」、ってことでしょうか。カメラは「第三の目」という感じで、二人から距離を置いて(まるで盗撮のように)撮影するシーンが多々あります。それがこの二人の状況を、効果的に浮き彫らせているように見えるんですね。二つ目ですが、この映画にはセックスシーンはありません。しかし主演を演じるマギーチャンとトニーレオンのそれぞれの魅力、加えて切ない音楽や美しい映像で、とてもエロティックな印象を受けました。他にも色々書くことはあるのですが、まぁよしとしましょう。ストーリーも分りやすかったような気がします。といっても何処まで理解出来ているかは、僕自身はっきりとは分ってませんが(笑)。まぁこの映画のタイトルにもMoodって入ってますし、Moodを堪能すればいい映画なのでは。


『2046』との関係は、ありましたね。『2046』への伏線どころか、見方によっては前編であるということも出来るのでは。ってほど。『2046』で楽しめた方はぜひ!
余談ですが、Nat King Cole氏の「Quizas Quizas Quizas」が使われていて個人的に大満足でした。


【勝手に採点:★★★★★★★★★★】


花様年華公式ページ