先日のベリルガマの黒水晶です。
曹長石が残るような新鮮なガマからは、
玉滴石が付着して出る場合がありますがー
緑柱石と一緒に玉滴が出るのは、
なかなかレアケースかもしれません?
この晶洞産はよく蛍光しました。
まあ稀元素ガマには玉滴石は多いです。
ペグマタイト晶洞が完成する最終段階で、
珪酸と水が豊富に残留していたなら。
最後にそれらが玉滴石になると思われます。
蛍光は微量のウランということなので、
よく蛍光すれば稀元素の濃集が濃いと判断できます。
稀元素/希土類は本当に種類が多いので、
そのペグマタイト中に何がどれくらい含まれるかはランダムで個性的です。
また晶洞ごとに結晶する量や位置やタイミングも異なります。
玉滴石がくる場合には、
そのガマの煙水晶は被りがよく綺麗なことが多いです。
これはガマの中に水分が多く含まれていた証拠で、
水晶などの珪酸塩の結晶の成長に不自由しなかったことを示します。
個人的にはこれを「よく濡れたガマ」と表現しています。(かなり独特な表現です)
逆の状況で「乾いたガマ」という表現する場合は、
水晶が焼けて鉄分が沢山付着することが多いです。
まあ極端なはなし乾いたガマからは、
「ガサガサのきたない結晶」が多く出ます。
ただ乾いたガマにもワンチャンスあります。
既に結晶していた長石が分解されて、
珪酸が再供給されるケースが意外と多くあるようなのです。
微斜長石KAlSi3O8
曹長石NaAlSi3O8
白雲母KAl2(AlSi3O10)(OH)2
石英や玉滴石SiO₂
緑柱石Be3Al2Si6O18
可哀想なので白雲母も入れてあげました。
(白雲母の関係性も重要です)
つまり長石が石英などに変換されるということ。
レシピは花崗岩に直接聞いてください。
グライゼン化と同様で物理的には十分可能です。
それらは晶洞内では煙水晶の透明な被りとして、
もとの水晶の表面に再成長してあらわれます。
そう考えると普通にというか、
結構そういうのってあるでしょう?
でベリルinの煙水晶というのは総じて、
煙水晶に綺麗な被りがくることが前提となります。
綺麗な煙水晶とベリルは2つセットで、
同時に結晶し内包されやすいということです。
そして緑柱石の結晶に必要な材料は、
豊富なベリリウムとアルミと余った珪酸です。
以上のことを理解していれば、
長石と緑柱石が殆ど共生しない理由がわかると思います。
①だから今回のガマにベリルinの煙水晶がありー
②かつ緑柱石が単体で結晶しておりー
③そしてさらに玉滴石が共生しているのはー
やっぱり珍しいことなのです。
次々に結晶しても結晶しても、
まーだそんなに珪酸が余っているのかと…
最後まで連続して、
綺麗に結晶できる環境だったんですね〜
はい今日は、
このへんにしておきましょう。
まあ今書いたことは絶対ではありません、
自分はそういう理解をしているというお話です。(。-ω-)zzz. . .