村上春樹さんを読むのは私にとって、作品の中の独特な時間の流れに癒しを感じるから、いつもどこかスノッブさがあって、例えば今回なら広尾の高級マンションに住む画家、妻と別れてすぐ始まる2人の人妻との不倫、ワイン、大量のオペラのレコード、忙しい会社勤めも人間関係の煩わしさも、なんなら生活費を稼ぐことすら大して必要もないしその気になれば絵を描いて何となくそれで過ごせてる主人公、非現実的なのにそのゆっくりした独特の世界に、読んでてフッと一息つけるんです。


まだ第一部の上巻ですが、ちょっとこの世の裏側、異世界を思わせるのもこの作者にあること、不思議というかリアルに考えたら恐ろしさもある気もするけどこれがどう展開するのかは次を読まないとですが、なんかもの凄いベストセラーでファンも多いけど読んでて面白いかどうかはよく分からない、面白くなくはない、って感じです。


キャラクターの感情を感じない、ひたすら理性的に理屈で進むのもそう、だけど理屈で進むことの安心みたいなものもありますね、非合理と思えることが日常は多いですから。