私が大好きな奥田英朗さんの「純平、考え直せ」、今回も面白かったけどちょっとこう、テーマというか設定に対して全体的にノリが軽いかなー、新宿・歌舞伎町でヤクザの下っ端の主人公のとある長い数日間を切り取った物語、ライトで淡くて、そこがまだ21歳の純平ならではの若さゆえの甘さだったりにマッチしてると言えばそうも言えるかな、後半、結末に向けて緊張感が高まってと言う感じではないかなーと思いつつ。

んー、ヤクザもの、何だけどあくまでも青春ものって感じですかねー、21歳の若者目線での歌舞伎町なりヤクザなりその他大勢の街の人々だったりを描いてるからか、終始ちょっとモヤがかかって輪郭が滲んでいるような、フワフワと現実感がないような感じ、ネットの掲示板が絡んで来るのもこの本の中での現実と虚構のクロスオーバーがあんまりうまくハマってないような、田舎で昔の知り合いに会うシーンもクラブでのシーンもどっか、写真で言うとピントが甘いっていうのかな。

私も一度だけ新宿・歌舞伎町には行ったことあるんです、ゴールデン街に、人に連れて行って貰って、もちろんヤクザとかダンサーとかこの本に出てくる様な派手?な人々との出会いはなく普通に飲んで帰っただけ、確かに輪郭が滲んでた様な、私が酔ってたせい?昭和レトロな、街もそうだし人々もその一部であることを楽しんでた風でしたねぇ。

そんな、ン十年前の一度きりの出来事を思い出したりしました、シンゴさん元気かな笑。