全国的に運動会の季節である。

 


我が家の不登校息子コロ(ASD、特別支援学級在籍)に一応、運動会の出欠を聞いてみた。

 


即座に「練習も本番も休む。真顔」という答えが返ってきた。

これに関しては、彼が悩んだり迷ったりする時間は皆無である。

 

分かってはいたが、実際に言葉に出されると、やっぱり悲しい……。

 

 

 

小学校も中学校も至近距離にある我が家。


ほとんど外出しないコロがストレスなく通えるよう、わざわざ学校から近い物件を夫が見つけてきてくれたのだ。


我が家の経済状況から見たら「メチャメチャ背伸びした」と言わざるを得ないぐらいの家賃でも、「他で節約すればいいよね」と言い合って、グッと拳を握り締めて毎月やり繰りしているのに。

 


それでも、学校に行けるようにはならなかったんだよね。

やっぱり悲しいよ……。

 

 

青空が気持ちよい日は、洗濯物を干したり、空気の入れ替えで窓を開けたりする度に運動会の練習の音が耳に入ってくる。

 

コロに悟られぬように平気な顔をしているが、何とも言えない暗い気持ちを抱えている。

 


声には出さないけれども、心の中ではブツブツと愚痴がリフレインしているのだ。

 

私だってさ、あなたが皆とダンスしてるところを見たいよ。


ぜーんぜん、上手じゃなくていいんだよ。


リズムがズレてても、皆と同じ動きじゃなくてもいいんだよ。


ただただ、あなたが参加している場面を見るだけで充分なんだよ。



多かれ少なかれ母っていうのは、そんな生き物なのだと思う。


わが子が頑張ってる姿が、最高のご褒美だし、エネルギーになるのだ。

 


それなのに!!!

コロ!!!


何で学校に行ってくれないのさ!!


運動会でダンス見せてくれないのさ!!!

 


そんな言葉ばかりを唾と一緒に飲み込んでいる。

 

……コロ本人にとって、運動会は地獄のように辛いことだから。それも痛いほど分かる。


私もずーーーっと運動がビリだったもの。





今日のお昼に、学校に行かないコロと昼食を食べていた。



ピタゴラスイッチの録画を見ながら、「コロちゃん、保育園の時はお風呂で”ぼてじんのうた”を歌ってくれたよね~」という会話をした。

 

……コロは全く覚えていなかった。

 


それどころか、「僕はねぇ、もう一生歌は歌わないんだよ!!」と力強く答えていた。

 

ああ、今年の音楽発表会も欠席だな。

 

 

 

そんなあなたのお母さんは今、中島みゆきさんの『ホームにて』を口ずさんでいるよ。

 

涙の数、ため息の数、溜まっていく空色のキップ。


母の心に、空色のキップがまた1枚溜まった。

 

 

 

 

 














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実はワタクシ、10年以上にわたり中島みゆきさんのコンサートは毎回参戦する、少しだけガチなファンです。


みゆきさんのエールと寄り添いが詰まった2枚組のアルバムは、私の宝物になっています。


もちろん、『ホームにて』も入っております。